■「STI Sport」と「GT-H」との比較。迷っている人はどちらを買うべき??
さて、興味深いのは「GT-H」との比較だ。サスペンションやステアリングのフィールは「STI Sport」でいう「NORMAL」と「SPORT」のドライブモードと同じフィーリング。
特にホイールストローク初期の動きがとてもスムーズなので乗り心地もいい。
コーナリング中のロールも大きくなく、自然なのでこれで充分じゃないかと思えるほど。
ただし、一般道での小さな凸凹路面の振動処理はやはり電子制御ダンパーには及ばないし、「SPORT+」のあのシャッキリ感を望むのは贅沢というもの。
ただし、アフターパーツへの交換も視野に入れるなら「GT-H」がお薦め。個人的にはこっちでいいかも、というくらい優秀だった。
さて、両モデルともにアイサイトXを装備したEXグレードだったが、首都高でもその真価を発揮して、ACC+LKAで車線内のど真ん中を前車追従で文句なしのDAS走行。渋滞ではハンズオフも可能だ。
そんな高速巡行モードでは旧型より格段に静粛性の高い室内が一種のパワースポットのような空気感に包まれたように感じられ、とても元気に試乗することができた。
(TEXT/松田秀士)
■スバル レヴォーグ STI Sport EX主要諸元
・全長×全幅×全高:4755×1795×1500mm
・ホイールベース:2670mm
・車重:1580kg
・エンジン:CB18型水平対向4気筒DOHCターボ
・総排気量:1795cc
・最高出力:177ps/5200~5600rpm
・最大トルク:30.6kgm/1600~3600rpm
・トランスミッション:リニアトロニック(CVT)
・JC08モード燃費:16.5km/L
・WLTCモード燃費:13.6km/L
・車両本体価格:409万2000円
■その歴史から紐解く 「アイサイトX」はなにがどうすごいのか?
スバルのクルマ作りといえば、「安心と愉しさ」。その根幹を成すのは先進安全装備の「アイサイト」だ。
古くは1999年の3代目レガシィから採用されたステレオカメラによる「ADA」から始まり、2006年に4代目レガシィに採用された「SIクルーズ」、そして2008年に同じく4代目レガシィについに「アイサイトVerI」が搭載。
2010年に5代目レガシィに採用され、「ぶつからないクルマ」のコピーで注目された「VerII」が大ヒットとなる。
そして初代レヴォーグに搭載された「VerIII」に進化し、その最新バージョンが「ツーリングアシスト」だった。
では、新型レヴォーグから採用されたアイサイトX(エックス)は、これまでのアイサイトVerIIIツーリングアシストからどう進化したか。
まず、これまではステレオカメラのみだったシステムに新たに前側方レーダーや電動ブレーキブースター、後側方レーダーとリアソナーを組み合わせて新たに衝突回避をサポートするシチュエーションを増やした。
また、ステレオカメラは従来の日立オートモティブシステムズ製からスウェーデンのVeoneer社製に変更。画角を2倍にして検知範囲を広角化し、画素数を230万画素に増加させた。
このほか、準天頂衛星やGPSからの情報に加え、3D高精度地図データを利用し、カーブ前や料金所前の速度制御、アクティブレーンチェンジアシスト、渋滞時ハンズオフアシスト(約50km/h以下)、ドライバ―異常時対応システムを実現しているのだ。
アイサイトXの機能については画像ギャラリーでも詳細に解説しているが、そのスゴさはやはり実際に試乗して実感してみてほしい。
(TEXT/編集部)
コメント
コメントの使い方