ペダル操作はシステム任せだが、ハンドル操作はドライバーが行う
システムは、フロントウィンドウ内に設置された小型化を実現したステレオカメラをはじめ、後側方レーダーそしてリアソナーによって構成されている。
搭載している機能はアイサイトコアテクノロジーとして、プリクラッシュセーフティをはじめ、後退時ブレーキアシスト、全車速追従機能付クルーズコントロール。AT誤発進・誤後進抑制制御、車線逸脱警報/ふらつき警報/先行車発進お知らせ機能。
さらにアイサイトセイフティプラス(運転支援)として、スバルリアビークルディテクション(後側方警戒支援システム)、ハイビームアシストの9つの運転支援機能を採用。
アイサイトver.3ながら、ステレオカメラで走行車線両側の区画線を認識し、高速道路などで約60km/h以上で走行している際に、車線からはみ出しそうになるとステアリング操作のアシストを行い車線からの逸脱を抑制する車線逸脱抑制機能は装備されていない。
つまり、アクセルとブレーキのアシストはするが、ステアリング操作はドライバーが行ってください。というシステムなのだ。
そして、ほかのスバル車とは異なるのが、全車速追従クルーズコントロールの操作方法だ。BRZは、トヨタ車で採用されているステアリング下部に取り付けられたクルーズコントロールスイッチで操作を行い、ステアリングに装着されたスイッチで前走車との車間距離を変更する。
操作方法は異なるが、機能面ではかつて乗っていた初代XVのアイサイトver.2に非常に近いものとなっている。
ボディ剛性が向上したボディはパワーアップしたエンジンを搭載しても、安定感抜群の走行性能を発揮する。シフトチェンジの速度やダイレクト感が向上した6速ATは、ステアリングに装着されたパドルシフトでのシフトチェンジが可能で、ハンドル操作に集中できスポーツドライビングを味わうことができる。
アダプティブクルーズコントロールを使用して走行すると、各メーカーの個性が出る。スバルはいち早くアイサイトを搭載し、精度そしてフィーリングもトップレベルだ。
特にブレーキの掛け方とアクセルの再加速のフィーリングは抜群で、自分ならこの辺でブレーキを掛けるなというタイミングバッチリで制御する。このドライバーの感性とシステムの制御の乖離が大きいほど、ストレスを感じて使いたくなくなるのだ。
注目のアイサイトだが、ステアリング操作はしないが、高速道路の追従走行の制御で車間距離を最も狭くすると、先行車との車間が詰まった時のブレーキ操作はかなり遅めの制御となっている。
もっと遠い位置からダラダラとブレーキを掛けるメーカーもあるが、アイサイトはココ!というタイミングを見計らったかのようにブレーキを掛けてくれる。これまでの豊富な知見による効果だろうが、なかなか攻めたブレーキング。しかし、恐怖感はまったくなく、安心してシステムに任せられる。
そのうえ、フロント16インチ、リア15インチのベンチレーテッドディスクブレーキを採用していることも、制御の信頼性アップに寄与している。
サーキットなどで熱い走りを楽しんだ帰り道の高速道路でのクールダウンにはもってこいの時間だ。ステアリング操作はドライバーが行うというのはスポーツカーのBRZらしい操縦を楽しめる部分を残しておく。というメーカーの粋な計らいと言えるだろう。
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