E-C4の評判も高いが、現状の売れ筋はディーゼル車のシャインブルーHDi
今回試乗したのは、車両本体価格345万円の1.5L直列4気筒ディーゼルターボエンジンを搭載したC4シャインブルーHDi。この価格で、スライディングガラスサンルーフをはじめ、レザー&テップレザーシート、バックカメラなど装備が充実している。
この価格は、新世代ガソリンエンジンを搭載したマツダ3ファストバックXバーガンディセレクションとほぼ変わらない。
C4シャインブルーHDiは愛車のプジョー2008より全長が+70mm、全幅は+30mm、全高は−20mmとなるが、流麗なルーフラインのクーペスタイルを採用したこと。ワイド&ローのフォルムによって塊感を演出している。
何と言ってもC4シャインブルーHDiの素晴らしいところは、ボディサイズの掴みやすさ。ボンネット位置が高く、タイヤ位置がわかりやすいし、リアのクラッディングによってタイヤ位置がわかりやすいため、非常に車庫入れがしやすい。
実際自宅の立体駐車場に入れてみたが、リアタイヤの位置と駐車スペースのエッジの位置が見やすいため、入れるのに手間取らなかった。流麗なクーペデザインに目を奪われがちだが、細部にまで使いやすさが考えられている。
使いやすさという点では、ラゲッジスペースにも注目したい。広くて低い開口部、フロアボードによって高さを変更でき、フラットなフロアも実現可能。そして5人乗車時の容量が380L、リアシートを倒すと最大1,250Lという大容量のスペースが出現する。
搭載されている1.5L直列4気筒ディーゼルターボは排気量を感じさせないパワフルさが特徴。車両重量1,320kgのC4シャインブルーHDiを非常にシームレスに加速させる。組み合わされている8速ATと調律が取れていて、リズムよくシフトアップして加速していくのだ。そのおかげでWLTCモード22.6km/Lという優れた燃費性能を発揮する。
C4シャインブルーHDiで絶品なのが、ソフトな乗り心地だ。もちろん、微振動を吸収するアドバンストコンフォートシートの効果もあるが、何と言ってもC4シリーズ全車に搭載されているPHC(プログレッシブ・ハイドリック・クッション)は魅力だ。
PHCはシトロエン伝統のハイドロマチックなどのDNAを受け継ぐサスペンションシステム。位置依存型ダンパーと呼ばれて、サスペンションが小さく細かく動く時やサスペンションのストロークスピードが低い状況では、極めてソフトでスムースな乗り味となる。
C4シャインブルーHDiは荒れた路面を走っても、このPHCを採用したサスペンションによって、フラットな乗り味を実現。極めて緩い波形の乗り味となっており、前後左右の揺れがほとんどない。
アプローチの仕方は違うが、フラットな乗り心地と座り心地抜群のシートによって非常に疲れにくいと感じた。若い頃の自分なら何か腰のないフニャフニャな乗り心地と言ってしまうだろうが、年齢を重ねてくるとこのソフトな乗り味が非常に心地良い。
立体駐車場に対応したボディサイズとPHCによるソフトな乗り味。ディーゼルエンジンを搭載しながらも345万円というプライス設定。まさに現在の自分に最もマッチしたクルマだと同時にあと1年早く出会えていればと思った。
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