EV大本命 日産アリア 公道初試乗! 見て乗って驚いた!! その走り凄すぎ!!! 感動ポイントと不満点とは

■静粛性の高さは「ダントツ」、乗り味の絶妙な味付けに感動!

静粛性が高く、上質な乗り心地のアリアB6 2WD
静粛性が高く、上質な乗り心地のアリアB6 2WD
12.3インチのセンターディスプレイと12.3インチの統合型インターフェースディスプレイは見やすくタブレットのように使える
12.3インチのセンターディスプレイと12.3インチの統合型インターフェースディスプレイは見やすくタブレットのように使える

 まずは、30km/h以下の低速から。ノート(ノートオーラも)と同じシフトレバーでDレンジへいれ、走り始める。

 最近国産他メーカーも採用しているデュアルピニオンアシスト式電動パワーステアリング特有の「軽めだが芯を感じるしっかりした操舵感」のハンドルを回していくと、最小回転半径がとても小さいことに気づく。

 アリア2WDの最小回転半径は5.4m。大径19インチタイヤを装着したクルマではトップでエクストレイル(5.6m)よりも小さい。

 「専用プラットフォームのおかげで、サイドメンバースパンを狭められた(日産自動車、中嶋光チーフヴィークルエンジニア)」とのこと。アリアの大きな魅力のひとつだ。

 次にロードノイズが皆無であることに驚く。中嶋CVEは、「ラウンジのような快適な静けさ」と表現したが、まったくそのイメージ通りだ。

 また、段差を乗り越える際には、タイヤの表面がソフトにたわむような、当たりの柔らかさがある。よくある表現だが、「毛足の長い絨毯の上を走る」かのような静けさだ。

 遮音対策を施したボディ図を見せてもらったが、遮音ガラスや車体フロアカーペット、タイヤ、ホイールハウスインナーへの吸音材など、「音振性能エンジニアの執念」がうかがえる対策ぶりだった。元から静かなモーター音も低減したというから、よほど本気になったのだろう。

 ただ、2トン近い車重(カタログ車重は1920kg、ドライバーである筆者に加えて後席に1名乗車)のためか、やや強めのブレーキングをした際や、ハンドル操作を急ぐと、「ゆさっ」としたボディモーションが残る。

 よくいえば大型高級SUVが持つようなクルーザーのような大らかな動きなのだが、CセグメントSUVのなかでは、アリアはかなりのソフトな乗り味に設定されているようだ。

 一般道へ出て60km/h程度でストップ&ゴーを繰り返すシーンでも、高速道路で100km/h程度まで速度を上げても、アリアの静粛性はバツグンに高い。

 同じコースで他メーカー製のバッテリーEVに試乗していないので他メーカーとの比較はできないが、少なくともリーフとは比較にならない、驚くほどの静粛性だ。

 また、不思議なことに中速以上になると、足回りに「しっかり感」がでてきた。低速で感じた「ゆさっ」とした動きはなくなり、乗り味が一気に引き締まったのだ。

 「低速域では足は硬いが、高速域になると気にならなくなる」というのが一般的なのだが、アリアはその逆。

 おそらく、駆動モーターの駆動反力でボディモーションを緻密に抑える「駆動力制振制御」のおかげだろう。低速での極上の乗り味と、中速以上での安心感、絶妙な味付けと感じた。

■リニアなフィーリングだが絶対的な加速力は「並み」程度

前後に電動で動くコンソールボックスにはシフトレバー、ドライブモード、e-PEDALのスイッチなどを配置
前後に電動で動くコンソールボックスにはシフトレバー、ドライブモード、e-PEDALのスイッチなどを配置

 加速フィールは実にリニア。ドライブモードを「ECO」、「STANDARD」、「SPORT」と変えていくと、踏み始めの加速度は強くなるが、絶対的な加速力は「並み」程度。

 バッテリーEVのなかには、圧倒的な加速力をウリにするモデルもあるが、アリアはそうしたところは狙っていないようだ。ただ、(高速道路での合流などではもう少し欲しいかな、とも思ったが)筆者は「ECO」で十分に感じた。

 またe-PEDALは、3つのモードでどこでも「ON」にできるが、同乗者がいる場合は「OFF」が正解だ。

 ボディモーションが大きく出やすいため、アクセルペダルに対する動きがリニア過ぎて、普通の乗用車の間隔でペダル操作をしてしまうと、同乗者が酔う可能性もある(特に踏み込みを戻すときが難しい)。

 ただし、一人乗り、かつ、ワインディングなどの限られた場所で使うぶんには、実に楽しい装置となるだろう。

 できれば、e-PEDALではない方法で、減速度を段階的にコントロールできる機能が欲しい。長く続く下り坂などでは、Bレンジやe-PEDALの減速度コントロールだけでやり過ごすのは難しく、強さをセレクトしたくなる。

 ヴェゼルハイブリッドには、スポーティな走りのためだけではなく、4段階の現速度コントロールのためのパドルシフトがあった。パドルシフトでなくてもいいのだが、減速度を段階的にコントロールできる何らかのシステムは欲しいと思う。

次ページは : ■プロパイロット2.0はさらに進化、より安心できるようになった

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

最新号

S-FR開発プロジェクトが再始動! 土屋圭市さんがトヨタのネオクラを乗りつくす! GWのお得情報満載【ベストカー5月26日号】

S-FR開発プロジェクトが再始動! 土屋圭市さんがトヨタのネオクラを乗りつくす! GWのお得情報満載【ベストカー5月26日号】

不死鳥のごとく蘇る! トヨタS-FR開発計画は再開していた! ドリキンこそレジェンドの土屋圭市さんがトヨタのネオクラシックを一気試乗! GWをより楽しく過ごす情報も満載なベストカー5月26日号、堂々発売中!