■プロパイロット2.0はさらに進化、より安心できるようになった
スカイラインに搭載以降、採用が進んでいなかったプロパイロット2.0だが、アリアでようやく2車種目の搭載となり、その制御も進化している。
従来のGPSのみだと精度10~15mが限界だったそうだが、新たに準天頂衛星を活用したことで、精度50cmほどで自車位置を特定できるようになり、これによって、複数レーンがある道路でも自車レーンを正しく特定できるため、車線変更を提案しやすくなったそうだ。
実際に首都高湾岸線で使用してみたが、2.0モード(ハンズフリー)が実行できたのはごくわずかの時間。条件がそろえば可能なはずだが「いつ入るのかな、まだかな~」という感じで、今回の試乗では、その恩恵をあまり受けることはできなかった。
ただ、2.0にならずとも、一般的なアダプティブクルーズコントロール機能をもつプロパイロット1.0は、軌道修正能力が非常に高く、ストレスフリーで走行ができた。この最新世代のプロパイロットが普及することを期待したい。
■「アマゾン・アレクサ」はユーザの使い方次第
アリアの話題のひとつが、Amazonが提供する「アレクサ」が導入されたことだ。国産メーカーとしては、このアリアが「アレクサ」初採用となる(海外では昨年ACURAが初搭載)。
「ハローニッサン」と声をかけると起動し、音声認識で対話する日産コネクトは、「エアコンの温度を上げて」とか、「充電スポットまでのナビを設定して」といった音声コマンドや乗り込む前のエアコン操作、事前にスマホから目的地をカーナビへと送信、といったサービス。「アレクサ」は、それとは別のアプリケーションとなる(筆者も混同していた)。
Amazonのアカウントと紐付けたアレクサは、例えば移動中に「アレクサ、キッチンペーパーを探して」といった音声コマンドを受けつけると、リコメンド商品を読み上げてくれる。
モニター上に表示が出されることはなく、(運転中の車内ではAmazon側で出さないよう規制)、音声のみの案内となる。また、車内では決済まではできず、ショッピングカートに入った状態までとなる。
同乗者が操作することも(現時点だと)できず、決済は移動を終えてからスマホやパソコン上で行うことになる。運転中にふと思い出したものをショッピングカートに追加していくイメージだ。一人で運転している時には便利かもしれない。
ほかにも、アレクサに繋いでいる自宅の家電やスケジュールを、車内からコントロールすることも可能。
Amazon Alexa広報担当の上村康史氏と戸塚満紀子氏は「こうした音声コントロールをする機能は、欧米ではすでに便利な機能のひとつとして受け入れられてはいますが、音声機能の利便性が浸透していない日本人ユーザが、どれだけ便利な使い方を想像できるか、発展途上の状況です。」としているが、まさに使い方次第、といったところだろう。
■次のバッテリーEVにも期待!!
テスラモデルSやジャガーI-PACEなどのように、目玉が後方に押し付けられるほど強烈な加速をするモンスターバッテリーEVがあるなか、アリアは、パフォーマンスの高さとしては「並み」程度に分類されるだろう。
内外装の質感やコスパの面でも、強烈なライバルがひしめくなか、アリアがどれだけの存在感を示すことができるのか、心配な面もあるが、アリアにしかない強みもある。それは「音」だ。
前進時や後退時、曲がるときなど、絶えず「音」が聞こえていた。「無音」であることが多いバッテリーEVに対し、アリアはロードノイズのような雑音を極限まで減らしたうえで、作られた「音(エフェクトのようなサウンド)」が心地よく、独自の世界観に没頭することができた。こうしたトータルサウンドコントロールは、ひとつの差別化ポイントになりうる。
日産は、この春、日産・三菱の軽EVの登場も控えているが、アリアの試乗を終えて感じたことは、このEV専用プラットフォームを生かしたいろんなクルマを見たい、ということだった。日産のバッテリーEVの次なる一手が非常に待ち遠しい。
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