レクサスのBEVである「RZ450e」をベースに、走行性能を極めた限定モデル「Fスポーツパフォーマンス」。アグレッシブなエクステリアデザインが目を惹くが、走りはどんな仕上がりになっているのか? トヨタのテストコース「トヨタテクニカルセンター下山」で試す!!
文/渡辺敏史、写真/LEXUS
■「Fスポーツパフォーマンス」第三弾
レクサスのスポーツグレードといえばサスペンションやコスメティックなどを違える「Fスポーツ」と、サーキット走行も前提に潤滑系や制動系も特別に設えた「F」を思い浮かべる方も多いと思うが、最近はその中間的位置づけの「Fスポーツパフォーマンス」なるグレードも存在している。
運動性能や動力性能といった文字通りのパフォーマンス面で他のグレードとは一線を画する強化が加えられているのが特徴で、その第一弾が自然吸気の5L・V8を搭載したIS500、二番目が2.4LターボHEV四駆のRX500hと聞けば、各々の銘柄でもちょっと特別な存在であることをお察しいただけるだろう。
その第三弾として発表されたのが、RZ450e Fスポーツパフォーマンスだ。驚くことに純然たるBEVであるRZをベースとしたグレードということになるが、その伏線は23年の東京オートサロンにあった。
ガズーレーシングとの縁も深いレーシングドライバーの佐々木雅弘選手がプロデュースしたというRZスポーツコンセプトは、ステアバイワイヤーの450eをベースに、オーバーフェンダーに包まれた21インチワイドタイヤとBEVならではの精緻な駆動制御とで極限まで高められるただろう旋回Gを四座独立のレカロRMSで受け止め……的な設えで、迫力マシマシのエクステリアも相まって、ブースの祭事感を高めていた。
■空のノウハウが詰まったエクステリア
と、そのコンセプトモデルを叩き台に、エアロパーツを空のノウハウで磨き上げたのがエアレースパイロットの室屋義秀選手だ。
現在レクサスをパートナーとしてエアレースXに参戦する氏が、エアレースチームの技術陣と共に様々なアイデアをRZの開発陣に伝えることで、ディテールはより高効能に仕上がっている。
一例としては特徴的なリアのカーボン二段ウイングについて、上段の仰角を下段側への積極的な導風として機能させることを提案、結果として高いダウンフォース量を得ているという。
他にもホイールハウス後端の整流によって車体後半の空力エフェクトを向上させるカーボン製ターニングベインやフロントスポイラー&リアディフューザーなど、RZ450e Fスポーツパフォーマンスには17点の専用エアロパーツが装着される。
加えてターニングベインと面が繋がる大きなオーバーフェンダーが示す通り、タイヤサイズは前20mm、後ろ40mm幅広な21インチとなり、ホイールもエンケイの専用品が採用されている。
ディメンジョン的にはトレッドが前が50mm、後ろが40mm拡幅、車両全幅はベースモデルより実に70mmも広い1965mmに達している。
この数値はレクサスLCやセンチュリーセダンを上回り、昨年登場した5ドアのセンチュリーにも迫るものだ。
このエクステリアの激変ぶりからしてみると、インテリアはブルーの差し色を基調としたカラーリングやシートステッチなどが用いられる程度で、ちょっと淡白な印象は否めず。前席などはオーナーが換装を検討してもいいかもしれない。
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