14代目クラウンはベンツ BMWを蹴散らしたのか? 走りの進化は歴代最高! 注目のハイブリッド試乗プレイバック

■クラウンHV対内外のライバル

 クラウンとライバルを比べた時の実力やいかに!

 日本勢だとフーガHVでしょう。絶対的な動力性能とハンドリングはフーガHV優勢ながら、先代クラウンHVで実証しているとおり「速くてハンドリングいいけど燃費悪いハイブリッド」ってユーザーから支持されなかった。当然のごとくフーガHVも人気出ていない。こらもう考えるまでもなくクラウンHVの勝ちだ。

フーガハイブリッド(539万7000円)。新型クラウンHVを100とすると加速フィール130/ハンドリング100/乗り心地100/燃費80/居住性100/インテリアの質感90/総合点80
フーガハイブリッド(539万7000円)。新型クラウンHVを100とすると加速フィール130/ハンドリング100/乗り心地100/燃費80/居住性100/インテリアの質感90/総合点80

 ベンツEクラスだとどうか。車格的にほぼ同じ。燃費と走りのバランスからすれば1.8L 4気筒ターボのE250(595万円)あたりになるだろう。

 Eクラスは非常にいいクルマだと思うけれど、クラウンHVのように強い主張を持たない。偉大なる実用車というイメージ。ということを考えたなら、少しばかり割高かもしれません。クルマとしての魅力度もクラウンHVに届いておらず。

メルセデスEクラス E250 ブルーエフィシェンシー(595万円)。新型クラウンHVを100とすると加速フィール90/ハンドリング105/乗り心地115 燃費60/居住性100インテリアの質感100/総合点70
メルセデスEクラス E250 ブルーエフィシェンシー(595万円)。新型クラウンHVを100とすると加速フィール90/ハンドリング105/乗り心地115 燃費60/居住性100インテリアの質感100/総合点70

 強敵なのが2Lのクルーンディーゼルを搭載するBMW523dである。燃費でクラウンHVに届かないものの、軽油のコストは20%程度安い。総合的に考えれば同等のコストですむ。

 加えて4.5Lガソリンエンジン車に匹敵する太いトルクがもたらす走りの味も素敵だ。当然のごとくハンドリングや乗り心地でクラウンHVをしのぐ。価格は90万円高い633万円。充分迷う余地あります。

 5シリーズにも『アクティブHV』というモデルがあるが、3Lターボを組み合わせる先代クラウン型。850万円と高いので論外だ。

BMW523d ブルーパフォーマンス(633万円)。新型クラウンHVを100とすると加速フィール110/ハンドリング110/乗り心地110/燃費100/居住性100/インテリアの質感100/総合点90
BMW523d ブルーパフォーマンス(633万円)。新型クラウンHVを100とすると加速フィール110/ハンドリング110/乗り心地110/燃費100/居住性100/インテリアの質感100/総合点90

 輸入車のハイブリッドということだと、アウディA6でしょう。2L、4気筒ターボと54馬力のモーターを組み合わせており、クラウンHVと似たようなコンセプトである(ハイブリッドのシステムはフーガに近い)。価格も690万円。

 ただボディサイズがクラウンHVよりひと回り大きい。ライバルはクラウンHVというより、間もなく出てくるといわれるマジェスタHVになるだろう。どちらが上質か? 乗り心地やインテリアの仕上げなどでアウディA6優位はカタい。

アウディA6 ハイブリッド(690万円)。新型クラウンHVを100とすると加速フィール110/ハンドリング100/乗り心地110/燃費80/居住性110/インテリアの質感110/総合点110
アウディA6 ハイブリッド(690万円)。新型クラウンHVを100とすると加速フィール110/ハンドリング100/乗り心地110/燃費80/居住性110/インテリアの質感110/総合点110

 ちなみに日本におけるクラウンHVの真のライバルはBMW320dだと思う。価格と装備を見たらガチンコのイーブン。クラウンも、3と5の中間くらい。私なら320d(470万円から)と迷うことだろう。

 歩行者まで見分けるという、アイサイト以上の性能持つ自動ブレーキ付きのボルボS60(379万円から)というチョイスも面白い。

■忘れちゃいけない! ガソリンモデルの出来はどうだ?

2.5ロイヤルサルーン(409万円)旧型クラウン2.5ロイヤルを100とすると新型は110点。最もクラウンらしさを感じさせる2.5ロイヤルだが、もっとソフトな乗り心地でもいい
2.5ロイヤルサルーン(409万円)旧型クラウン2.5ロイヤルを100とすると新型は110点。最もクラウンらしさを感じさせる2.5ロイヤルだが、もっとソフトな乗り心地でもいい

(TEXT/竹平素信)

 ハイブリッドが注目される新型クラウンだが、ガソリンモデルもしっかり進化しておったぞ。

 プラットフォームはゼロクラウン、先代クラウンと共用だが、車高を10~20mm下げ、安定感あるエクステリアデザインとしている。クラウンが進化するたびにロイヤルのベーシックモデルに乗り、進化の度合いを探ることにしているが、結論からいえばさすがの乗り心地とハンドリングのバランスだった。

 V6、2.5Lは最高出力203ps、最大トルク24.8kgmと旧型と変わらないが、車重が40kg軽くなっているのがポイント。改良されたサスペンションのおかげだろう、しゃっきり感が増し、エンジンはトルクフルとはいえないが、加速のスムーズさは明らかに新型のほうが上だ。

 クラウンといえば、やはり静粛性と乗り心地のよさが気になるところ。静粛性についていえばエンジンの駆動系から来るイヤなノイズはほとんど感じられず、気になったことといえば、高速域で生じるわずかな風切り音だけ。加速した時の高回転でのエンジンサウンドも上質で心地いいものだ。

 乗り心地もしなやかで、快適だが、昔からのクラウンが持つ、包み込むような乗り心地のよさは若干失われた気がする。

 ロイヤルらしさはひと言でいうならば、ソフトタッチの乗り心地なのだが、スポーティさが強調されたぶん印象が薄くなった。アスリートがあるのだから、ワシはロイヤルの乗り心地はもっとソフトなままでいいと思うのだが……。

 アスリートのみの設定となるV6、3.5Lは、こちらもスペックは旧型と共通で最高出力315ps、最大トルク38.4kgmとなっている。しかし、新しくパドルシフトを持つ8速ATが組み合わされた。こいつのおかげで、アクセルを踏み込んだ時の加速感は旧型を大きくしのぎ、ハンドリングのダイレクト感も増している。アスリート史上最も完成度が高いかもしれない。

アスリートにのみ設定の3.5Lエンジン。8速AT採用で伸びやかな加速を見せる
アスリートにのみ設定の3.5Lエンジン。8速AT採用で伸びやかな加速を見せる

 ワンタッチで切り替えられる走行制御モードが設定され、スポーツモードに切り替えると、EPSやAVS、VGRS(3.5アスリートのみ)の制御がスポーティなものに切り替わり、爽快な加速フィールが味わえる。

 2世代前のゼロクラウンから操縦安定性が一気に向上し、先代は若干おとなしくなったものの、着実に走りの高級車としての地位を築いてきた。

 新型はその延長線上にあり、さらに一体感のあるハンドリングになった、と評価したい。ロールは少なくリアタイヤのグリップも増している。飛ばしても安心感があるのはさすが、クラウン。

 ハイブリッドに注目が集まるが、ガソリンモデルも存在感をアピールする。

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