高速道路で手放し運転が可能な画期的な運転支援システム、プロパイロット2.0は日産アリアにも搭載された。
「自動運転を楽しんでほしい」と呼び掛ける国沢光宏が、アリアに乗って軽井沢を目指した。
文/国沢光宏、写真/池之平昌信
■世界初のプロパイロット2.0投入以来、日本の道をハンズオフで一番走っている日産!
どんなにクルマ好きでも高速道の一定速走行や渋滞の運転は楽しくないと思う。加えて単調な運転だと眠くなるし、速度変化の大きい渋滞時はうっかりミスによる追突事故も発生しやすい。
実際、休日の事故の多くが、渋滞時に発生する追突事故。楽しい休日も台無しだ。そんな時、クルマが運転を補助してくれたら大いにありがたい。現時点で最も頼もしい“相棒”といえば、日産のプロパイロット2.0だったりする。
最初に機能を紹介しておく。最大の「いいね!」は広範な速度域や道路状況でハンズオフ走行を可能としている点にある。ほかにもハンズオフ走行を実現しているメーカーもあるけれど、先行車がある渋滞時など限られた条件のみ。
それ以外でも台数が限定となったり、1000万円近い高級車に限られるのが実情。プロパイロット2.0の場合、高速道路で制限速度内までは先行車がなくてもハンズオフ走行ができるのだった。
こう書くと「居眠りしたら危険だ」と思うかもしれない。確かに居眠りはハンズオフ最大の懸案事項だ。日産も充分認識しておりプロパイロット2.0でハンズオフ走行すると、ダッシュボード上のカメラが常時ドライバーの目線や顔の向きを追いかけている。
居眠りはもちろん、携帯電話をしている場合でも警告を出す。正常な運転じゃないと判断されたら、さらに強い警報を出す。
参考までに書いておくと、徐々に強くなっていく警報や警告を受けても正常な運転をしないなら(心臓や脳の疾患では目線が確認できない)、クルマが自動でハザードランプを出して徐々に減速して停止し、緊急通報につながります。
突然の疾病でも停止できるのは何よりありがたいこと。ドライバー監視カメラ、将来に自動車事故をなくそうとなったら真っ先に採用される技術だと思う。この一点だけでもプロパイロット2.0は素晴らしい。
ナビで目的地を設定した場合は高速道路の分岐などを判断してくれる機能もある。今回目的地にした軽井沢へ向かう途中の「関越道から上信越道へのJCT」でどうかと思ったら、手前で案内出たものの、自動分岐(ハンドルに手を添えてないと稼働しない)してくれなかった。
なぜなら分岐支援は65km/h以下では作動せず、安全面で担保されているからだ。
分岐だけでなく先行車に追いついた時の追い越し提案の車線変更も、支援作動スイッチで承認すればウインカー出しまで自動でやってくれるほか、ウインカーでもスイッチの代わりとなる。
ただし、提案を出した瞬間は車両周囲が安全でも、猛スピードで近寄ってくる追い越し車線のクルマが突如迫ってくれば、すぐに安全でないと判断し、追い越し支援提案を取り下げる。
また、ドライバーが任意で車線変更支援を作動させようとしても安全でないとクルマが検知した時は支援が作動しないようになっている。
アリアに乗るとクルマのほうが人間よりも早く正確に安全かどうかを検知していることがわかる。もちろん、リアルな交通の流れのなかでは、ドライバーの操作のほうが素早く、ベテランドライバーなら、経験をもとにスムーズに走れる状況があることも事実だ。
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