■国産タイヤが旧車の未来を救ってくれる?
「なんせタイヤといったら輸入品しかなくて。しかも納期不明とか、手元に来たら製造年が古かったり。
サイズが大丈夫なタイヤは国産メーカーにもありますが、全体の雰囲気を崩す最近のタイヤはちょっと……」。
そこで目に付いたのがヨコハマタイヤのG.T. SPECIAL。
メンテナンスを任せるショップのメカニカックが「懐かしいなー。G.T. SPECIALの広告はかっこよかったんだよ」と教えてくれた。
ところがG.T. SPECIALは元はといえば国産クラシックカー用のイメージ。オーナーのSさんも不安はあった。
「タイヤのグリップが勝っているとボディや足回りへの負担が来るじゃないですか。
それってこの年式だと致命傷になりかねないんです。だからちょっと怖さもあったんですけどね。結局それは心配しすぎでした(笑)」。
もちろんサーキットなどで無理な運転をすればボディへの負担は大きくかかるものの、あくまでも一般道をツーリングで走るには快適度アップで大満足だそう。
「論より証拠でちょっと助手席に乗ってドライブをご一緒しませんか? ランチにおすすめのハンバーガーがあるんですよ」。
向かった先は茅ケ崎市内のハンバーガーショップ「BY THE WAY(バイ・ザ・ウェイ)」。ここでハンバーガーをガブリと食らう。
店内にあった1966年特集の音楽雑誌を読みつつ、1966年式の愛車を愛でる。24歳にしてかっこよすぎるぞ。
注文したゴルゴンゾーラ・ベーコンバーガーを食べつつ、本日のツーリングルートを構想する。
「あっ、平日なので横浜中華街でタピオカでもどうですか?」。
時々見せる発想が若いことに安心する。担当はかつてのナタデココブームを思い出したことは胸にしまっておこう。
■高速道路でも市街地でも安心感が高い!!
自動車専用道路である横浜新道を通りいざ横浜へ向かう。70km/hの法定速度まで一気にビートルは加速する。
さすが1776cc!! 現代のクルマとなんら変わらない走りにちょっと驚く。
とはいえ、ご機嫌斜めの雨雲のせいで路面は湿潤。クラシックカーでも怖くないのだろうか……。
「以前はこういう自動車専用道路なんかを走ると少し怖さもあったんです。特に車線変更とかは。
でもG.T.SPECIALは”ズルズル”って感じがなくてビターっと走るんですよね」。
”ババババババァッ”という雄々しい空冷サウンドを奏でながら、クリーム色のかわいいカエル顔が走る。
首都高速に入る。横浜のみなとみらいが見えてきた。
半世紀以上前のクルマと近未来的な横浜エリアの対比はちょっとジーンとくるものがある。
まさに文明開化を告げた横浜の街だからこその感情だろう。ここはいっちょ、牛鍋でもいくかと思ったが今回はタピオカだ。これも文明開化。
ビートルは市街地での走りもスムーズ。交差点を曲がるのもスーッと引っ掛かりがない。こんなに普通に旧車を走らせるには多くのメンテナンスが必要だ。
「部品供給は比較的恵まれているクルマなんですけど、やっぱり予告なしにいきなり壊れる。根気と分厚い財布(笑)が必要ですね。
今回装着したG.T. SPECIALは性能的には満足ですがサイズ展開がもう少しあるといいなって。
車高やフェンダーとの隙間などお気に入りのスタイリングって旧車にはありますからね。まあ贅沢を言えば、って感じですが」。
中華街で買ったタピオカを飲み干し、情緒豊かな元町でウィンドウショッピング。オシャレも好きな24歳はなにか買わないのだろうか?
「うーん、ほしいものはあるけどやっぱりビートルの部品ですね。同じお金使うなら」。
やはり根っからのカーガイのようだ。きっとお父さまも天国でニッコリ、だろう。
【ヨコハマタイヤ G.T. SPECIAL CLASSIC Y350】
今回の撮影で使用したタイヤはヨコハマタイヤのG.T.SPECIAL CLASSIC Y350。
オールドミニに最適な145/80R10をはじめ、今回使用した165/80R15など全4サイズを設定。
まもなくクラシックカー用のタイヤとして復活予定だが、全国のクラシックカー好きには朗報とも言える復活だろう。
かつて日本を席巻した「G.T.SPECIAL」を名乗るだけでなく、現代の技術で安全性も向上。
クラシカルな外観で1960~1970年代のクラシックカーの足元を支える。
詳細は公式サイトからどうぞ!!
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