テスラモデル3。過去1年で120万円ほど値上がりした
写真は最上位グレードのパフォーマンスで、前後にモーターを搭載するAWDモデル。0-100kmの加速タイムは3.4秒と高性能だ
テスラモデル3
テスラモデル3
テスラモデル3
テスラスーパーチャージャー
円安ドル高の進行が止まらない。ウクライナ危機が一向に収まる気配を見せないなか、4月20日の東京外国為替市場で、円相場が約20年ぶりに1ドル=129円を突破。
2012年~13年頃に1バレル=100ドル超の原油高になった時は為替レートが1ドル=90円~100円という水準だった。つまり、現在の為替レートで1バレル=100ドル超というのは当時の1バレル=130ドル超に相当する。国の支援がなければ180円を超えて、かぎりなく200円に迫る最悪の状況だ。
事には裏と表があるもので、損をする人がいる一方、トクをする人もいる。円安の恩恵を受けるのは海外にモノを売る輸出セクター。同じ3万ドルのクルマを売ったとして、円安になれば入ってくる日本円の額が増える。
日本で生産したクルマをグローバル市場に輸出する場合、原材料や輸入部品の価格上昇分をカバーしてあまりあるくらい円換算での販売価格が上がるので問題はないが、日本ではそうはいかない。値上げをしなければコストアップ分を自動車メーカーがすべてかぶることになってしまう。
ただ、クルマの値段が高くなったと言われているが、国産車の国内価格は海外価格に比べて著しく安い。カローラと同じコンパクトクラスはVWゴルフだが、プジョー308にしても、その価格でも特別高い車種ではなく、むしろ価格競争力があるグレードに属する。
この先果たして国産車メーカーが奮起してコスト低減を成し遂げるのか、あるいは手っ取り早く輸出で儲ければ、国内価格は「円安還元セール」で維持したままでいいと考えるのか。日本の自動車ユーザーの命運は急激な為替変動にも左右するだけに、止まる気配がない円安基調がいつまで続くのか、マイカー族にとってもガソリン価格の高止まりとともに目を離すことができない。