■古いクルマに増税するのは明らかに悪法
このほかにもクルマ関連の税金には問題が多い。「消費税が10%になったら自動車取得税は廃止する」ことが決定していたのに、これは破られた。自動車取得税は確かに廃止されたが、環境性能割という、ほぼ同じ内容の新しい税金が創設されたからだ。
古いクルマを乗り続けると、増税される問題もある。最初の登録や届け出から13年を経過すると、「古いクルマは燃費が悪い」という理由で自動車税や重量税が割増されるのだ。新型コロナウイルスの影響で新車を買うことができないユーザーは、増税で一層苦しめられる。
国は一律10万円を給付するというが、本当に困っている人たちを助けるべきだ。古いクルマの増税は、明らかに悪法だ。仮に自動車税と軽自動車税の納税が1年間猶予されても、結局は割増分まで含めて納めねばならない。
■クルマ産業は景気浮揚の最大の原動力
自動車税は2019年4月1日の登録/届け出車両から減税されたが、その一方で増税は野放しだ。古い車両のユーザーが、増税に負けて新車を買えば自動車業界が儲かり、乗り続ければ国は高額な税金を徴収できる。国と自動車業界が共謀して、困っている人達を苦しめる構図が見られる。
法的な課税根拠を失った道路特定財源の存続も含めて、クルマ関連税はもともと見直す必要があった。この課題が新型コロナウイルスの影響で、もはや待てない状態になっている。
今後国が行うべきは、まず自動車税と併せて重量税にも納税猶予を与えることだ。その間に、燃料課税を含めてまったく新しいクルマ関連の税金を構築する。この時に必要な視点は、国と自動車業界の擁護ではない。困窮している人たちを筆頭に、クルマのユーザーを守ることだ。その仕組みを整えて実践すれば、おのずからクルマも売れて、経済にもいい影響を与える。
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