■(3)課税根拠の崩壊-2「道路特定財源は廃止されたのに」
自動車取得税、自動車重量税、揮発油税などは、もともと道路建設や整備をするための税金(目的税)として1950〜1970年代に設けられた。
この背景には、先に述べた道路建設や整備費用は自動車ユーザーが負担すべきという、受益者負担の考え方があった。
ところがこの道路特定財源制度は2008年に廃止され、今では課税根拠を失っている。それなのに一般財源化されて存続している。
「自動車を走らせる道路を造るから、自動車ユーザーの皆さん、お金をください」といって徴収を開始したのに、ちゃっかり別の目的に使っているのだ。しかも古い自動車ユーザーから多額の搾取をしている。
■(4)モノを大切に使う道徳の欠如
我々は「モノを大切に使わないといけませんよ」と言われながら育った。昨今のエコロジーを踏まえても、とても大切な道徳だ。
ところが今の自動車税制は、古い自動車に重税を課して廃棄をうながす。モノを大切にする道徳に反する。
古い自動車を増税して廃棄に導く根拠は「環境性能の向上だ」というが、これにも矛盾がある。
自動車は開発/製造/流通/使用/廃棄のすべてにおいて、環境に負担を与えて二酸化炭素も排出するからだ。13年を超えた自動車に重税を課して、多くの人達を悲しませながら廃棄処分にさせ、無理に高額な新型車を買わせることがエコとは限らない。
結論をいえば、今の自動車税制は、国と自動車業界が癒着した結果の稚拙な産物だ。道理の通らない「元・道路特定財源」の税金を今でも徴収しながら(これは自動車販売の妨げになる)、その代わりにエコカー減税と13年を超えた車両の増税で販売促進にも加担する。
いわゆる「アメとムチ」だろう。この犠牲になるのが古いクルマのユーザーだ。道徳のカケラもない。
そして最も残酷な軽自動車増税については、13年を超えた古い車両に向けた増税分が、新車の減税分の4.5倍に達した。高齢者のライフラインに重税を課して苦しめ、しっかり税収太りする構図が出来上がっている。やっていることは、もはや犯罪に近い。
改めていう。13年を経た車両の増税は即刻廃止して、新たな税金の仕組みを再構築すべきだ。
コメント
コメントの使い方古い車に重課税を掛けるのは間違いです。
父の形見に古いクラウンを所有していますが、高額な自動車税、重量税を加算され納得できません。
年間走行距離も僅か1,000km程度なので、環境には負荷を与えていません。
1つの提案ですが、車検時に検査証に距離を記載してあるので、距離に対しての環境付加税をかけてはどう
でしょうか❓
あまりにも燃費悪くて趣味レベルのクラシックカーなどの古い車ならわかるけど、50年以上前は増額でにして、それ以外は今の時代、長くなる方がエコなのにね。
署名運動したほうがいいと思う。
逆行してる
国民年金なので13年過ぎた中古車を買って乗っています、車の弱点を理解して愛情こめてだましだまし乗っています、今の税金制度許せません