室内はスーパーハイトワゴンのトップクラス
ホイールベースの拡大で、後席の前後方向の足元空間は、先代型に比べて81mm拡大した。身長170cmの大人4名が乗車した場合、後席に座る乗員の膝先空間は、先代型では握りコブシ3つ少々であった。スペーシアの3つ半、N-BOXの4つ少々を少し下まわったが、新型ekスペースなら遜色はない。
ただし車種を問わず、後席のスライド位置を最後端に寄せると、頭部がリアゲートに接近して追突された時に不安が生じる。後席の膝先空間は、握りコブシ2つ分程度に調節したい。そうすれば追突時の不安が多少は解消され、広がった後席の後ろ側を荷室として使える。
ekスペース&ekクロススペースの後席のスライド量は、クラストップの320mmを確保した。先代型に比べると60mm増えている。
後席の左側にチャイルドシートを装着した時は、前方に寄せると便利だ。運転席に座る親との間隔が縮まり、信号待ちの時などに子供のケアをしやすい。
助手席の背もたれを前側へ倒すレバーをドライバー側の高い位置に装着したから、従来以上に子供のケアがしやすくなった。
室内高は1400mm(eKスペースのGとTは1390mm)を確保したから、前後席とも頭上に十分な余裕があって開放的だ。子供が立って着替えをする時も便利に使える。
車内の快適装備では、先代型と同様、リアサーキュレーターを改善して採用した。一種の扇風機で、インパネから吐き出されたエアコンの空気を後方に送る。空気の浄化、脱臭、静電気の除去を行うプラズマクラスターの機能も備わる。
乗降性にも配慮され、スライドドアの開口幅は、先代型は555mmだったが新型では650mmに達する。約100mm広がり、開口部の下側も先代型に比べて張り出しを抑えたから乗り降りしやすい。
標準ボディのeKスペースも含めて、売れ筋のGとTでは左側にハンズフリーオートスライドドアが備わる。スライドドアの下側で足を出し入れすると、電動スライドドアを開閉できるから、子供を抱えたり、両手で荷物を持っている時に便利だ。
パワートレインは全車マイルドハイブリッド
エンジンは直列3気筒659ccで、現行eKワゴン&eKクロスに搭載されるタイプと同じだ。全車がマイルドハイブリッドシステムを備える。車両重量はeKスペースの最も軽い仕様でも940kgだから、自然吸気のNAエンジンでは負荷が大きい。それでも先代型に比べると、実用回転域の駆動力が高まり運転しやすく感じる。
ターボは通常の走行に影響を与える最大トルクが1.7倍の10.2kgm(2400~4000回転)に増強され、走りにも余裕が生まれる。ターボを装着したエンジンは、eKクロススペースに加えて、標準ボディのeKスペースにも搭載される。
プラットフォームも、現行eKワゴン&eKクロスと基本的に共通だ。サスペンションは前輪が独立式のストラット、後輪は車軸式で、2WDがトーションビーム、4WDはトルクアーム式の3リンクになる。
走りに関する装備では、ヒルディセントコントロールを採用した。急な下り坂を安全に走るための装備で、エンジンと4輪独立ブレーキ制御を自動的に行う。
したがって、ドライバーはハンドル操作に集中できる。一般的には悪路向けの装備で走行速度の設定は時速15km以下だが、eKスペース&eKクロススペースは設定幅を広げて時速4~20kmとした。駐車場などの急な下り坂を走る時にも使える。
安全装備にも注目したい。衝突被害軽減ブレーキは全車に標準装着され、歩行者も検知して作動させる。誤発進抑制機能は、前後両方向ともに対応して、エンジン出力に加えてブレーキも制御する。対象は障害物のほかに、前方については歩行者も検知できる。
このほか車線逸脱時に警報を発して、元の車線に戻れる制御を行ったり、道路標識の検知機能も備わる。
衝突に備える安全装備では、サイド&カーテンエアバッグが全車に標準装着され、eKクロススペースではニーエアバッグも装着した(eKスペースはオプション)。
運転支援機能は、車間距離を自動制御できるクルーズコントロール、操舵支援などを備えたマイパイロットを先進快適パッケージとして7万1500円で用意した。この仕様ではパーキングブレーキも電動式になる。
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