三菱自動車のスーパーハイトワゴン、ekスペースが2020年2月6日、6年ぶりにフルモデルチェンジし、3月19日から発売される。
ラインナップは標準ボディが「ekスペース」、デリカD:5やekクロスと同様のダイナミックシールド顔を採用した「ekクロススペース」の2種類となる。
新型ekスペース&ekクロススペースは、三菱と日産が共同で設立したNMKV会社が開発したもので、eKシリーズの背を高くしたスーパーハイトワゴンとなる。
しかし、このジャンルには絶対王者ともいうべきホンダN-BOXが君臨し、立ちはだかっている。
はたして、ekスペース&ekクロススペースにはどんな魅力が備わっているのか? そしてN-BOXの牙城を崩せるのか? モータージャーナリストの渡辺陽一郎氏が徹底解説する。
文/渡辺陽一郎
写真/奥隅圭之
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ekスペースとekクロススペースの2グレードを用意
2019年3月に登場したeKワゴン&eKクロスに続いて、eKスペースもフルモデルチェンジを行った。
従来型は標準ボディをeKスペース、エアロパーツ装着車をeKスペースカスタムと呼んだが、新型はeKスペースと、フロントマスクをSUV風に仕上げたeKクロススペースになる。eKワゴン&eKクロスに準じる組み合わせだ。
eKスペース&eKクロススペースの全高は、2WDが1780mm、4WDは1800mmに達する。後席側のドアは乗降性の優れたスライド式だ。
従来のeKスペース&eKスペースカスタムと同様、N-BOX/タント/スペーシアのライバル車になり、今はこのスーパーハイトワゴンの人気が高い。軽乗用車全体の50%近くを占める。
開発は三菱と日産が合弁で立ち上げたNMKVが受け持つが、実質的な開発は日産が行い、生産は三菱が担当する。両社の分業で成り立つ商品で、姉妹車として日産もルークスを用意する。
eKスペースとeKクロススペースでは、外観のデザインが異なる。販売の主力は上級のeKクロススペースで、フロントマスクは今日の三菱車に共通する「ダイナミックシールド」で仕上げた。
基本的にeKクロスやデリカD:5に似ているが、eKクロススペースのLEDヘッドランプは、配置の仕方が異なる。
eKクロスとデリカD:5では、LEDヘッドランプをグリルの両側に縦方向に並べたが、eKクロススペースは7眼薄型LEDヘッドランプをグリルの上側に横並びで上下2段に配置する。
標準ボディとなるeKスペースのフロントマスクは、ヘッドランプの配置もオーソドックスで柔和な印象だ。ちなみにターボ車のグリルはブラック、NAモデルはボディ同色となる。
ボディサイズは、全長が3395mm、全幅は1475mmで、この数値は軽自動車の全車で共通化されている。
全高は、前述のように2WDが1780mm、4WDは1800mmだから、先代の1775mm(2WD&4WD)に比べて若干高い。ハイトワゴンのekワゴン&ekクロスに比べると、120~140mm高い。N-BOXやスペーシアと同等でタントを25mmほど上まわる。
ホイールベース(前輪と後輪の間隔)は2495mmだから現行eKワゴン&eKクロスと同じで、先代型に比べると65mm伸びた。タントとスペーシアの2460mmに比べると長く、N-BOXの2520mmよりは短い。
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