ルノーのコンパクトSUV キャプチャーに、2022年9月1日、新モデルとなる「キャプチャーE-TECH HYBRID」が加わった。
F1で培った技術からキャリーオーバーされたフルハイブリッドシステム「E-TECH HYBRID」の乗り味はいかほどか? ヤリスクロスやヴェゼルといった国産競合車と比べて買う価値はあるのか? 「E-TECH HYBRID」の詳しい解説も併せて自動車評論家 松田秀士がレポート。
●ルノー キャプチャー グレード別価格(税込)
・インテンス:309万円
・インテンステックバック:332万円
・E-TECH HYBRID:374万円
・E-TECH HYBRID レザーパック:389万円
※本稿は2022年8月のものです
文/松田秀士、写真/RENAULT、ベストカー編集部 ほか、撮影/奥隅圭之
初出:『ベストカー』2022年9月26日号
■「凄いよね。市街地、郊外、高速道路。スキがないと思うよ」
キャプチャーE-TECH HYBRIDはドッグクラッチを採用した独自のフルハイブリッド。
このシステムはアルカナやルーテシアと同じものだが、乗ったフィーリングではアルカナよりも軽量なキャプチャーにとてもマッチしていると感じた。
このハイブリッドはクラッチを装備しないからエンジンでスタートすることは不可能。
モーターはクラッチを必要としないので、必ずモーターで動き始める。そのあとエンジンが追っかけ始動し駆動する。
このあたりの雰囲気はトヨタTHS-IIとさほど差はないが、大きく異なるのはモーター駆動の瞬発力。メインモーターは20.9kgmを発生する。
ちなみにヤリスクロスのモーターは14.4kgmだ。
また、ドッグクラッチトランスミッションゆえにモーター走行中もMT車のようにアクセルに対するダイレクトなフィーリングがより加速感を感じさせる。
例えばヴェゼルは直結式のモータードライブで、中高速域で効率のいいエンジン直結+モーターアシストも行うが、E-TECH HYBRIDはそれこそ40km/h前後の速度域からでも積極的にアクセルを踏み込めばエンジン駆動も行う。
もちろん高速域ではエンジンが主体になるが、負荷が少ないコースティング状態ではいつのまにかモーターだけで走っていたりする。
また高速エンジン走行中に追い越しなどでアクセルを踏み込むと、はっきりとモーターのアシストトルクがかかり気持ちよく背中がシートに押し付けられる。
この時のフィーリングはターボが効いた時のような加速感。
モーター側に2速ギアがあることもこの加速に貢献しているのだろう。走行状態によって主役がエンジンとモーターで目まぐるしく入れ替わる。
ふんだんなくモーターが駆動するのはハイブリッドとしては大容量の1.2kWhのリチウムイオンバッテリーがあるから。
サブモーターが発電とエンジン始動を行っており、気づくと80%以上に充電されている。
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