去る2013年8月4日、富士スピードウェイで開催された「Fuji 86 Style with BRZ 2013」に突如BRZのSTIバージョンである「tSコンセプト」が出展された。究極のハンドリングマシンを目指した「BRZ tS」を緊急取材した!(本稿は「ベストカー」2013年9月10日号に掲載した記事の再録版となります)
文:編集部/写真:茂呂幸正
【画像ギャラリー】目指した走りは「FRの神髄」! あの時は興奮!! 突如降臨したスバルBRZ tSコンセプト緊急取材(8枚)画像ギャラリー■「STIバージョン」の歴史に新たな1ページが!
2013年8月4日、富士スピードウェイに衝撃が走った。BRZ初のSTIバージョンであるtSが突如公開されたのだ。
「tSコンセプト」と名づけられたそのクルマは8月中旬に発売予定のtSのプロトタイプで、その勇姿に来場者の視線は釘付けになった。
今さら説明するまでもないがtSは「tuned by STI」の略で、STIのコンプリートカーであることを示す“称号”である。
BRZ tSの目指す方向性はWRX STIとは違う「FRらしく自然に、意のままに操れるハンドリング性能」ということだ。いうならば、「スバルがどこまでFRのハンドリングを突き詰められるか?」自らに問いかけた結果がこのモデルというわけだ。
大好評のWRX STI tSタイプRA同様、最もハンドリングに変化をもたらす足回りにはしっかりと手が入れられているはず。
剛性アップのためのタワーバーとフレキシブルドロースティフナー、フリクション低減を担ったリアサスリンクのピロボールブッシュが採用されているようで、前後にSTIのノウハウが詰まったダンパーとスプリングが入る。
これで充分ではなく、どうやら(1)フロントのストラットベアリングスパンを延長し、曲げ剛性を強化、(2)リアのドライブシャフトを大径化(2)ステアリングギアボックスの取り付け剛性を向上させているようだ。
このうち、特に注目なのは(2)のドライブシャフトの大径化だ。これによってねじり剛性が向上しトルクがリアタイヤに瞬時に伝わるようになり、感覚的にもよりダイレクトなトラクションとリニアな加速フィールを手に入れるはず。
この基本構造まで変更している点に注目。走る、曲がる、止まるにこだわった結果「劇的」なハンドリングの変化が生まれているはずで、今すぐ試乗したい気持ちに駆り立てる。
もちろん、お約束のブレンボ製ブレーキをしっかり装着。フロントに17インチの対向4ポッド、リアに17インチの対向2ポッドと強烈なストッピングパワーを手に入れている。
タイヤはベースモデルが215/45ZR17なのに対し225/40ZR18へとインチアップ。
高級スポーツモデルも採用するミシュランのパイロットスーパースポーツとなり、ハンドリングへのどん欲さがうかがえる。
コメント
コメントの使い方