■トヨタ アルファード
例によってゆっくりと走り大きくステアリングを左右に切ります。操舵に対する車体の左右差はありません。GA-Kプラットフォームのフロントはよくできています。センターのホールドもハッキリとしているし、操舵反力もしっかりとしています。タイヤの反力感もあり、ダイレクトな接地感があります。
滑らかで乗り心地のいい足の動きです。全高1935mmの重心が高いミニバンとは思えない乗り心地です。
ただ、40km/hで連続する路面のペイント段差(波状路)を通過すると、“コツコツコツ”と若干リアの突き上げを感じます。リアのショックアブ反力で、重心が高く車重の重い車体の動きを抑えるためです。操縦性は前後のバランスがよく、安定感があります。
アクセルを踏み込んだ時に室内にエンジンのメカノイズが入ってくるのはラグジュアリーミニバンとしては大きなマイナスです。これは要改善です。2.5Lハイブリッドの動力性能にはまったく不満はありません。
ブレーキはノーズダイブ自体小さいですが、効きのフロント依存が大きくABSの介入も少し乱雑です。もう少しローター径を大きくしたブレーキで、余裕がほしいですね。
【画像ギャラリー】日本のミニバンは世界に誇れるカテゴリーよ! アルファードとデリカを隅々まで是非(20枚)画像ギャラリー■トヨタ アルファード “Executive Lounge”:90点
アルファード&ヴェルファイア最大の評価ポイントは、「お客様のニーズを的確にとらえた商品企画」を徹底しているという点に尽きる。
つまり、クラウンやセルシオユーザーが乗り換える際に「格落ち感」を抱かせない豪華さとラグジュアリーなプレミアム感の勘所を掴んで上手く演出している。
2列目シートの居住性は、シート表皮の滑りやすさを除けば文句のつけようもなく、3列目も、余裕の居住空間と、シートの座り心地を上手く作っている。
ただ、大きなエンジン騒音、特にメカノイズが室内に入り込んでくる点は高価なラグジュアリーミニバンとして改善を望みたい。
●水野和敏 取材メモ
・全長を5m未満、全幅を1.9m未満とすることで、マンションや戸建て住宅での駐車場スペースに対応。このサイズを超えると、圧倒的に駐車場が厳しくなる。
・2列目シートの座り心地や機能はさすが、文句のつけようがないのだが、本革シート表皮が滑りやすく、身体のホールド性が今ひとつなのはマイナス点。
・直4、2.5Lハイブリッドの出力特性は熟成されているが、エンジン音が室内に大きく入るのは要改善。
●トヨタ アルファード “Executive Lounge” 主要諸元
・全長:4995mm
・全幅:1850mm
・全高:1935mm
・ホイールベース:3000mm
・最低地上高:150mm
・最小回転半径:5.9m
・車両重量:2230kg
・エンジン:直列4気筒DOHCハイブリッド
・総排気量:2487cc
・最高出力:190ps/6000rpm
・最大トルク:24.1kgm/4300-4500rpm
・モーター:182ps/27.5kgm
・トランスミッション:電気式無段変速機
・WLTCモード燃費:17.5km/L
・Fサスペンション:ストラット
・Rサスペンション:ダブルウィッシュボーン
・タイヤサイズ:225/65R17
・車両価格:850万円
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