【タント N-BOX スペーシア…新車販売も上位独占!!】 いまさら聞けない!!? 軽自動車が売れるこれだけの理由

 なぜ軽ばかりが売れるのか――。日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会によると、2019年国内新車販売ランキングは、1位がタント(ダイハツ)、2位がN-BOX(ホンダ)。3位がスペーシア(スズキ)、4位がデイズ(日産)。

 トップ4すべてが軽自動車、という状況で、さらには10位にムーブ(ダイハツ)もランクインするなど、トップ10の半数が軽自動車となっている。

 維持費が安いなど、軽自動車にはメリットがあるのはもちろんであるが、それは昔からそうであって、それだけで、昨今の軽人気を完全に説明することはできない。

 ではなぜ軽ばかりが売れるのか。軽自動車の魅力を確認しつつ、分析していく。

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文:吉川賢一/写真:ベストカー編集部


軽自動車が売れるワケ

 ご存じの通り、軽自動車というカテゴリは、日本の道路事情に合わせて生まれたもので、普通車よりも快適性やパワーの面で劣る代わりに、税金や保険の面で優遇されている。

●理由1. 小回りがきくので運転しやすい

 軽自動車は、全長3,400mm以下、全幅1,480mm以下、全高2,000mm以下、排気量660cc以下、定員4名以下、貨物積載量350kg以下、と決められており、これらをひとつでも超えると、登録車扱いとなる。

 幅が狭い軽自動車は、運転が得意でない方であっても狭い道を通ることができ、また、最小回転半径が4.2m~4.5mほどのクルマが多い(登録車ではコンパクトカーでも5m程度が相場)ことから、小回り性能にも優れている。

ダイハツ タント。2019年11月の軽販売台数で2年3ヶ月ぶりにN-BOXを抜き首位に立った。センターピラーレスとスライドドアを組み合わせた「ミラクルオープンドア」もさらなる省スペースに寄与している

●理由2. 駐車スペース確保が楽

 クルマが小さいので、自宅の駐車スペースなども確保しやすい、また、規格によって大きさが決められていることから、サイズが変わらない安心感がある、ということもあるだろう。さらに、スーパーなどの駐車場では「軽専用」スペースが設置されていることがあり、混雑時には地味に便利。

●理由3. 大幅に向上した居住性

 上述したように、軽自動車には、決められた規格があるが、最初からこのサイズだったわけではない。昭和24年に軽自動車の規格が設けられた際は、全長2,800mm、全幅1,000mm、全高2,000mmと、今よりも断然小さかった(※しかし、実際にこの規格で作られたクルマはなかったそうだが)。

 その後、数回の規格改定をうけ、現在の規格とほぼ同じとなったのは1990年のこと。この改定をうけ誕生したのが「ワゴンR」だ。

1993年登場のスズキ ワゴンR。軽自動車の弱点だった室内の狭さを、全高を高くすることで解決したエポックメイキング的な存在。

 現在の規格になったのは、1998年10月だが、このワゴンR誕生がきっかけで、軽自動車の居住性がどんどん高まっていったのは、皆さんも知るところであろう。

●理由4. ランニングコストがだんぜん安い

 毎年4月1日時点の自動車保有者に課せられる自動車税(種別割)(※軽自動車は軽自動車税(種別割))を見てみると、登録車のうち、一番排気量が小さいもの(1,000cc以下)でも25,000円(2019年9月30日以前に新車登録されたクルマは29,500円)であり、軽自動車は10,800円(2015年3月31までに購入されたクルマは7,200円。また、最初の新規検査から13年を経過したクルマは12,900円)となっている。

 つまり、いま新車購入した場合、登録車と軽自動車では、年額14,200円の差があり、軽は登録車の半額以下なのだ(※便宜上、グリーン化税制は考慮から除外した)。

 ほかにも、新車登録時と車検の際に支払う自動車重量税では半額(登録車の500kg~1,000kgまでの税金で比較)であり、また、高速料金も登録車に比べて全体的に2割程度安い、など、クルマを保有し続けると必ずかかるお金が明らかに違う、というのは、やはり軽自動車の利点といえる。

 そのほかにも、タイヤなど、消耗品が安く入手できること、ボディが小さいために洗車が短時間で済み、時短かつ水道代の節約にもなる、などが挙げられる。

 ちなみに軽の魅力で「燃費がいい」というのも確かにあるが、軽自動車は排気量が小さいために使い方によって燃費は大きく左右されること、また、昨今はハイブリッド車が多いこと、などを考慮し、「軽の魅力性能」としては、賛否両論なのである。

ホンダのN-BOX。先述の通り2年3ヶ月ぶりに軽新車販売の首位の座をタントに明け渡したが、軽自動車における「覇権」を作り上げたイメージは強烈だ

●理由5. デザインが豊富で、個性豊かな幅広いラインナップ

 主に女性を意識して作られた、かわいい雰囲気であったり、また、レトロ調のデザインなどが、コンパクトなボディだけに、よく似合う。

 また、最近の軽自動車は、ハスラーの様なSUVスタイルや、N-BOXやタント、スペーシアの様なスーパーハイトワゴン、またコペンやN-660の様なスポーツカータイプなど、多様化の時代に応えるべく、軽自動車と一口に言っても様々なタイプがあり、好みで選ぶことができるのだ。

日産のデイズ ハイウェイスター。オートカラーアウォード2019の特別賞を受賞している。デイズは「2019年グッドデザイン賞」も受賞

●理由6. リセールバリューが高い

 軽自動車は「売れる」ことから、各自動車メーカーの力の入れようが半端ない。各自動車メーカーによる熾烈な商品力向上競争が繰り広げられている。

 商品力が高いため、新車で購入してから数年経過したあとでも、高く売れてしまうのだ。高く売れれば、売ったお金を軍資金に、新型車を購入する、という、軽自動車には「売れる仕組み」ができている。

 何はともあれ、ユーザーとしては商品力の向上はうれしい限りだ。

スズキのスペーシア。2017年12月の登場から丸2年となるが販売位台数第3位は驚異的。SUV仕立てのギアも好調

■まとめ

 今や、多くの国内自動車メーカーの主戦場は、海外である。国内市場での売り上げは、どのメーカーも全体の2割程度であろう。

 そのため、どのメーカーも、グローバルで売るためのクルマの開発に注力している。

 要するに、日本のユーザーだけを見ているのではなく、グローバルで通用するクルマ、海外で売れるクルマを開発し、それを日本でも(多少のアレンジは加えつつ)売る、という形をとっている。

 良いか悪いかは別にして、ガラパゴス規格で作られている軽自動車は「日本人に行き届いた商品開発」がされている」のである。

このように、限られた規格の中で進化し続けてきた軽自動車は、日本の誇るべき「クルマ文化」であるといえよう。

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