近年、「自動ブレーキ」と呼ばれることも多い衝突被害軽減ブレーキ。その搭載を国土交通省が2021年11月から国産新型乗用車に義務づけると発表した。
この衝突被害軽減ブレーキの義務化で、現在すでに発売されたクルマはどうなるのか? クルマや自動車社会はどう変わるのか? 現在展開中の車種でオススメのものやその基準はどれか?
交通コメンテーターの西村直人氏が、昨年(2019年)12月から始まった国交省による後付け急発進抑制装置の認定、現在展開中の商品やその価格についてと併せ詳報する。
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※本稿は2020年1月のものです
文:西村直人、ベストカー編集部/写真:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2020年2月10日号
■国交省が自動ブレーキ義務化を発表。その国際基準は?
(TEXT/西村直人)
2019年12月17日、国交省から乗用車の衝突被害軽減ブレーキ(AEBS/アドバンスド・エマージェンシー・ブレーキ・システム)国内基準と義務化の内容が公表された。
GVW(乗員+車両+積荷の重量合算値)に応じ、2014年から段階的に義務化が施行されている商用車(トラック&バス)に続く安全対策だ。
まずは2021年11月以降に発売される新型の国産車に関して、基準を満たした性能を持つ衝突被害軽減ブレーキの装着が義務化される。
義務化の時点で販売されているクルマ(=継続生産車)は2025年12月以降、同タイミングの軽トラックはさらに後倒しで2027年9月以降に義務化が課せられる。
また、正規販売される輸入車の新型車は2024年6月以降、輸入車の継続生産車は2026年6月以降、国内基準が適応される。
衝突被害軽減ブレーキは、1991年に旧運輸省時代から現在へと続くASV(アドバンスド・セーフティ・ビークル)構想の最初期から導入が検討されていた先進安全技術で、2003年6月にホンダ4代目「インスパイア」が世界で初めて実装した。
今回、義務化となった国内基準は2019年6月にスイスのジュネーブで開催された「WP29」で採択された「衝突被害軽減ブレーキ国際基準」(2020年1月から効力を持つ)に則った内容だが、実はコレ、日本が欧州連合と共同議長国として主導しWP29へ提案した基準そのもの。
詳細は上のイラストのとおりで、実用化されている衝突被害軽減ブレーキに比べ基準は緩いが、いずれ求められる性能も上がる。
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