【今や事故扱いで等級ダウン!!】窓ガラスの飛び石は保険を使って直すべき??

 前のクルマが巻き上げた石や、タイヤの間に詰まっていた石がこちらに飛んできて、フロントウィンドウに「ビシッ」と当たる、飛び石は運転しているときにドキッさせられる出来事です。

 飛び石を受けたときの音の大きさに、思わず悲鳴を上げたり、急ブレーキを踏んだりという経験を持つ人も多いことでしょう。飛び石はその衝撃の大きさ、音の大きさにも驚かされるものですが、フロントウィンドウを傷つけるのも困ったものです。

 もし傷がついてしまったら、自己負担で修理するほうがいい? 車両保険に加入しているなら、その保険を使ったほうがいい? というのは悩みが尽きないところだと思います。

 また、ドラレコにより石を跳ね上げたクルマが特定できれば修理費を負担してもらえるのか? などなど、厄介な飛び石によるウィンドウの破損について考察します。

文:諸星陽一/写真:ベストカー編集部、TOYOTA、SUBARU、Adobe Stock

【画像ギャラリー】飛び石の修復をする時に大きく関係する複雑な自動車保険の等級とそのポイント


飛び石による傷修理は等級ダウン案件

高速道路走行中に前走車が跳ね上げた石などの異物によりフロントウィンドウが割れるという事故は年々増えている

 飛び石によって発生した傷が原因でフロントウィンドウを交換する場合、車両保険を使うことができます。

 2013年までは飛び石でフロントウィンドウを交換しても等級ダウンなどはなかったのですが、現在は車両保険を使ってフロントウィンドウを交換すると事故扱いになります。

 保険でフロントウィンドウを交換した場合、免責額(自己負担額)を定めていれば免責額分は自分で支払わなくてなりません。

 たとえば、交換に10万円の費用が必要な場合、免責額がゼロならば自分の負担はありません。免責額が5万円という契約ならば5万円は自分のお財布から出し、残りの5万円を保険会社が出すことになります。

2013年から飛び石によるウィンドウの破損は、等級が下がる事故になった。カメラなど重要な部品が装着されていることに起因している

保険を使って等級が下がることの弊害

 保険の掛け金は等級と事故歴(事故あり係数適用期間)の組み合わせで決まっています。つまり同じ15等級であっても、事故なし15等級と事故あり15等級は異なります。

 免責額のある、なしに関わらず、車両保険を使ってフロントウィンドウを交換した場合、1等級ダウンと事故歴あり1年間という扱いになります。

このレベルの割れになるとウィンドウの交換となるが、小さいキズ、割れの場合は修復も可能。放置していいことはまったくないので早急な応対が必要

 今年、15等級の人が車両保険を使ってフロントウィンドウ交換をした場合は、翌年が14等級事故あり、翌々年が15等級事故なしとなります。

 保険を使わなかった場合は、翌年が16等級事故なし、翌々年が17等級事故なしとなります。つまり翌年以降の保険料がグッと変わってくるわけです。

 自動車保険の等級の最高等級は20等級ですが、前出の場合で保険を使わなければ5年後には最高等級の20等級事故なしに達しますが、保険を使うと最高等級の20等級事故なしに達するまでに7年かかってしまいます。

どれだけ保険料が上がるかが重要

 このシステムが車両保険を使うか否か? の判断基準となります。車両保険を使ってフロントウィンドウを交換した場合の出費額が、今後支払う保険料の上昇分を上まわるなら保険を使うことが正解ですし、出費額のほうが安いなら保険を使わずに自腹を切ったほうが得です。

 保険金額がいくら上昇するかについては、保険会社に質問すれば概算を試算してくれます。しかし、あくまでも概算であって、正確な金額は出ません。

飛び石は前走車だけでなく、反対車線から飛び込んでくることもある。100%回避できないので、危険ポイントを把握することが重要になる

 ひとつは保険料が改定される可能性があるからです。試算後に保険料が改定されても「試算時はこの金額だった」という主張は通りません。

 また、クルマを買い換えた時も保険料は変わります。自動車の保険はクルマごとに料率が決められていますので、高い料率のクルマに乗り換えれば当然保険金は上昇します。現時点で初度登録5年目のクルマから、新車に乗り換えれば車両保険の対象額が上がります。

 一般的に保険料がどの程度上がるかは、現在のクルマを乗り続ける状態での試算を行うので、試算で出てきた額がギリギリだった場合、クルマを買い換える予定があるなら、保険を使わずに自腹を切ったほうがいいことが多いとなります。

相手が特定できるれば補償してもらえる?

 先行するクルマが跳ね上げた石が原因でフロントウィンドウがキズ付いた場合、相手を特定できれば修理費を補償してもらえるのか、という点は非常に気になるところだと思います。

 現在ではドライブレコーダーを装着しているクルマも増えていて、ドライブレコーダーなどによってそれを証明できれば先行車の対物保険でカバーできるのでしょうか?

ドライブレコーダーで相手を特定することは可能だが、故意でない場合は補償を受けられる可能性は限りなく低い。しかし装着していると安心できる

 結論を言えば、かなり難しいと言われています。

 そうした飛び石が故意ならば相手に保障を求めやすいのですが、そうでない限りは難しいというのが一般的な見解です。

 もちろん故意の場合は保険は適用されず、相手に保障してもらうことになります。

 いっぽう、ダンプカーなどがあおりをきちんと閉めなかったり、シートを被せないなどした状態で走行して砂利などの積載物を落としながら走行し、その被害に遭った場合は損害賠償請求が行える場合もあります。

 損害賠償請求にはしっかりした証拠が必要なので、高解像度のドライブレコーダーでの映像などが大きな役割を果たします。

飛び石からクルマを守る走り方

 なにはともあれ、飛び石は被害を受けないようにすることが一番です。最大の予防策は車間距離を長く取ることです。先行車が巻き上げた石は、重力に負けていずれは地面に落ちます。

 少なくとも自分のフロントウィンドウよりも低い高さになれば、ウィンドウに石がぶつかることはありません。

高速道路を走行している時に、車間距離が短いと飛び石被害の可能性はグッと高くなる

 また自車の速度も要因になります。飛び石の高さが低くなる前に自車が飛び石に達してしまえば当然のようにぶつかります。

 高速道路を走る際、速度が上がるのは追い越し車線です。追い越し車線は対向車線から横に飛んできた異物と衝突する可能性もあります。

 道交法的なことだけでなく、追い越し後は早めに走行車線に戻ったほうがいいということになります。

 当たり前のことですが、砂利を積んだトラックの後ろや、路面が荒れて砂利が浮いているような車線を走るのも飛び石被害の危険度が増します。

 100%被害を避けることは無理ですが、危険なポイントを把握して、TPOに合わせて走行するだけで大きく違ってきます。

追い越し車線を走行し続けることは取り締まりの対象となるだけでなく、飛び石の被害に遭う危険性も大きく高まる

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