現行エクストレイルはどうして売れ続けていたのか?
日産によると、エクストレイルのウリは、「インテリジェント4x4が実現する圧倒的な走破性」、「プロパイロットをはじめとする未体験の先進技術」、「先進のシャシー制御が実現する、意のままの走り」だそうだ。
確かに、どれも訴求力のある魅力的なポイントであり、体感すれば頷けることは多い。
しかし、先進技術や走りの良さは、ライバル車たちも持ち合わせているものであり、エクストレイルに際立ったアドバンテージがあるわけではない。では、どうしてエクストレイルは売れていたのだろうか。
その理由は、「ボディサイズ」と「価格」にある、と筆者は分析する。エクストレイルは、競合するライバル車たちの中で、最も長くて、最も幅が狭く、最も全高が高く、そして安い。
つまり、SUVの大切な積載性を、リーズナブルに提供している、という特徴を持っているのだ。
もちろん、カタログで車体寸法や価格を詳細に調べて購入する方は稀であろうが、車種選択の中で販売店を訪れて、エクストレイルを見た時に、多くの荷物を載せられて、しかも価格が291万円と、競合と比べて安いとなれば、必然的に顧客の頭には残るであろう。
次期型エクストレイルがRAV4に勝つための戦略とは?
次期型エクストレイルがRAV4に勝つためのヒントは、初代エクストレイルが登場したときのコンセプト「タフギア」にあると考える。
初代エクストレイルが登場した時代、本格的クロカンが多数いた中で、CセグメントのミドルクラスSUVとしてデビューしたエクストレイルは、「250万円そこそこで気軽に乗れるタフギア」として、その存在が認められたのだと思う。
現行エクストレイルは、インテリアも豪華で贅沢なつくりになり、何となく、汚してはいけない雰囲気になってしまった、と感じるのは、筆者だけだろうか。
そこで新型エクストレイルでは、世界中を「おお!」と言わせる「サプライズ」を与えてほしいと思う。あえて贅沢装備をはぎ取り、初代の「タフギア」に回帰し、徹底的に安い価格で提供することができれば、面白いことになるだろう。
ナビゲーションも設定せず、AppleCarPlayやAndroid autoが前提のオーディオディスプレイにするなど、いくつか手段はあるはず。プロパイロット込で税込280万円で出すことができれば驚異的だ。
まとめ
この1年以内に新型エクストレイルがデビューするのかは定かではないが、久々に追い込まれた日産が一発逆転を狙う起爆剤になる一台に間違いはない。
ぜひ失敗も覚悟の上で、チャレンジをして欲しい。日産ファンとしては、「強気の日産の復活」を心待ちにしている。
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