世界最小の1.6L、V6エンジン
初搭載車:三菱ランサー&ミラージュ(1991年登場)
バブル末期の1991年、マツダと三菱自動車は2L以下から2.5Lまでをカバーする新しいV6を開発し、世界最小のV6エンジンを競っていた。
先行したのはマツダで、この年の5月登場のカジュアルなファストバッククーペとなるユーノスプレッソに1.8L、V6を搭載した。
プレッソに続き三菱自動車はこの年の秋にフルモデルチェンジされたミラージュ&ランサーに1.6L、V6を搭載し、世界最小のV6の座を手にした。
ミラージュ&ランサーの1.6L、V6は確かにV6エンジンらしい静かさとスムースさは備えていた。
しかしV6エンジンということに加え、このV6エンジンは2.5Lまでカバーするものだったため重量は重く、1気筒あたりの排気量が小さい上にマルチシリンダーは機械的な抵抗が多くなるという欠点もあり、低速トルクが稼げないなど燃費や絶対的な動力性能は同じ1.6Lの4気筒エンジンに見劣りした。
さらにV6エンジンはシリンダー数だけでなくカムシャフトなども2ペア必要になるため当然ながらコストも高かった。
小型車にV6エンジンを搭載するなら同じ年に登場したVWゴルフ3の2.8リッターV6のように素直に大排気量とすれば強力な動力性能と高い静粛性という「高級な機能を持つ小さな高級車」に仕立てる手もあったかもしれない。
だがそもそもの目的が世界最小のV6エンジンだったこともありそれもできず、ミラージュ&ランサーの世界最小のV6エンジンは話題にこそなったものの存在意義が非常に薄かった。
結局1995年にフルモデルチェンジされたミラージュ&ランサーで排気量を1.8Lに拡大したのを最後に、三菱自動車の世界最小のV6エンジンは絶版となった。
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