歴代レガシィ&レヴォーグ 再試乗で知る価値と魅力 これぞスバルの真髄!!

■2代目

 初代の成功を受け開発された2代目はプラットフォームこそ改良型ながら、インプレッサ用に開発した進化版EJ20をさらにツインターボ化し、250psというクラス最強のエンジンを搭載してきた。すでに三菱「ギャランVR-4」とのパワー競争に突入しており、ライバルの240ps以上にしたかったワケです。オリビエ・ブーレイによるデザインや、乗り心地の改善などで、高い評価を得た。

 しかし、開発担当者の土屋孝夫さんは超イケイケだった! マイナーチェンジで280psまでパワーアップ! さらにビルシュタイン(当時は手作り生産。ホンモノのビルシュタインです)も採用してきたのだから驚く! 2代目後期型はスバルにとって超絶ヒットとなり、信じられないことにモデル末期で月間最高販売台数を記録。私は後期型の「250T-B」を買いました。

■3代目

 土屋さんに代わり、初代からレガシィと関わってきた桂田さんが開発責任者になる。桂田さん、アメリカでは「ミスターレガシィ」と呼ばれています。世界的に衝突安全性が厳しくなり、それに対応するためボディ重量も重くなってしまう。また、乗り心地の上質さを追求するため、リアサスをマルチリンクにバージョンアップ。クルマ全体の質感にもこだわった。

 改めて3代目に試乗すると、2代目と比べ、クルマとしての完成度は明らかに高くなっている。全面的な改良を受け、レスポンスのよくなったツインターボは、重くなった車重を意識させない走りを見せてくれる。また、毎年行った年次改良でクルマの完成度が上がっていき、最終モデルは日本車離れしたハンドリングと上質さを持つGTカーに仕上がった。

3代目も正常進化だったが、追加された6気筒エンジンなどにも後押しされてプレミアムカーを目指し始め、4代目でその勢いは頂点に達した
マッキントッシュのオーディオは3代目から登場。最初はカセットテープだった

■4代目

 歴代レガシィで、というより日本を代表する名車だったと思う。初代レガシィを立ち上げたチームの荒澤さんは開発のTOPになっており、理想を追求! 徹底的な軽量化に取り組み、インテリアだって迷ったら「いいほうを選べ」。ボディ外板まで塗装品質を向上させるべく平滑な素材を選んでいる。今でも「4代目から乗り替えるクルマがない」という人がいるけれど、100%同意します。

 4代目は生産中止になってから10年経つけれど、基本設計いいため頑丈! 今回試乗した個体は2004年モデルだったが、今のクルマたちと比べたってまったく遜色ないばかりか、一体感あって「超いいね!」。ハンドル握っただけでお金かかっているクルマだと感心しきり。デザインだって素晴らしい。私は初期モデルの「GTスペックB」を買った。本当にステキなクルマでした。

■5代目

 アメリカ市場を優先した結果、日本のクルマ好きから総スカンを喰うことになる。4世代に渡るレガシィユーザーだった私ですら見た瞬間、買う気を失ったほど。

 乗ると悪いクルマじゃないが、大味。マッキントッシュオーディオもなし。ただアメリカで大ヒットを飛ばし、スバルに大きな収益をもたらした。アコードもシビックもカローラも、アメリカを向いた途端、日本じゃ売れないクルマになる。

レガシィツーリングワゴンとしては最後となった5代目のBR型と現行レヴォーグ。日本市場では5代目は不評だったが、北米では圧倒的な支持を得たモデルだった

■現行レヴォーグ

 アメリカ車になったレガシィの後継モデルとして位置づけられたのが「レヴォーグ」だ。私は5代目レガシィでスバルに対して”グレて”いたため、かつてのインプレッサワゴンのようにラゲッジスペースの小さいレヴォーグを見て大いに失望したことを思い出す。レガシィはラゲッジスペースが広かったから魅力あった。多くのレガシィファンも私と同じだったようだ。

 改めてハンドルを握ると、走りのレベルはモンクなし。そらそうだ。ボディ剛性感高く、ヨーロッパ車と真正面から勝負しても勝てそう。次期型レヴォーグはこの秋にデビューするというが、果たして離れていったスバルファンを引き戻すことができるだろうか? もはやラゲッジスペースは期待しない。クロスオーバーとかあったら面白いと考えます。

4代目レガシィツーリングワゴンの直接的な後継車として登場。1.6Lターボと2Lターボ、アイサイトver.3などを搭載し、現在は完熟の域に達している

次ページは : ■カピバラ永田の2代目レガシィこそサイコーだ!(TEXT/永田恵一)

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