奇跡が起こった。もはやモデル消滅は免れない、と思っていた「日産 フェアレディZ」に次期モデルが存在!
日産は5月28日に行われた2019年度決算・事業構造改革計画発表記者会見において、「今後18カ月の間に12車種をモデル更新し、投入する」と発表。
会見の最後、その12車種の頭文字とシルエットを動画で公開し、そのなかになんと「Z」も入っていたのだ。長年追い求めてきた、新たなフェアレディZの姿が、日産が不振に苦しむこのタイミングで明らかになるとは、誰が想像しただろうか。
内田社長による「スポーツカーに力を入れる」というプレゼンは、「令和の奇跡」といえるだろう。まだ詳しい情報は明らかになってはいないが、シルエットや日産の持つリソースを考察しながら、新たな「フェアレディZ」の姿を考察してみたい。
文:吉川賢一
写真:NISSAN、編集部
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新型フェアレディZはモデルチェンジか? ビッグマイナーか?
わずか60秒程度の動画に登場したシルエット(Zが出るのはそのうち10秒足らず)から、新しいZの特徴をいくつか挙げてみた。
・ロングノーズショートデッキ
→Z33(先代モデル)、Z34(現行モデル)の流れを汲んでおりFRらしいプロポーションは維持される。
・逆スラントノーズ、丸目ヘッドライト(リング状のデイライト?)
→Z34よりも逆スラントがきつめになっているように見える。初代Zの逆スラントノーズに似ている。
・上下に分割されたヘッドライトのインナーライト
→インナーライトのおかげでヘッドライトが円状に近いものだと推測できる。
・ルーフからリアフェンダーまで入ったアクセント
→メッキパーツのキャラクターラインが入っているように見える。
・エッジが効いたリアフェンダー
→Z34の丸いフェンダーに対し、車両後端まで平らに伸びたリアフェンダーは大きく変わっている。
・テールランプはVシェイプではなく横長形状に?
→平らに伸びたフェンダーの後ろ側にとりつけられており、Z32以前のような横長のテールランプに見える。
ヘッドライトやリアフェンダー、テールランプなど、大掛かりな変更が加えられているため、新しいZは、モデルチェンジか、ビッグマイナーなのかが気になるところだが、筆者は「モデルチェンジに近いビッグマイナー」ではないか、と予想している。
何がどう変わる? 新型フェアレディZを大胆予測!
上記に挙げた特徴を参考にしつつ筆者が考えた、次期型Zの全貌は以下の通りだ。
基本となるFRプラットフォームや車体骨格は流用し、ホイールベースも、トレッドも維持する。
エンジンは、スカイラインに搭載されている3.0L・V6ツインターボを搭載。回転フィールが抜群に気持ちの良い、名エンジンだ。
スカイラインと同様に、405psと304psの2種類を用意し、上位モデルはスペシャルモデルにする(一説では、400Zという車名になるという情報もある)。
トランスミッションはZ34の7速AT、6速MTを流用する。その他のサスペンションアーム、メンバー、ブレーキシステム、タイヤなど、シャーシ部品も流用。最低限、最新の各国法規へ適合させる調整のみとし、新たな技術開発は極力行わない。(個人的には大きくなりすぎたタイヤを、一回り小径に戻してほしい)
エクステリアはフロントマスクとリア周りを中心に、大胆に変える。
ヘッドライトパーツや樹脂フェンダー、インテリアで目に触れるセンターコンソール周りやメーター類、ドアインナーパネル部分など入れ替える。Z34のプロポーションはそのままに、目に触れる部分はすべてスキンチェンジを行い、印象をガラッと変える。
つまり、「コストをかけずに最大限の変更を行う」ということだ。これは、現行であるZ34が、登場から12年も経った現在でも、「超一級のハンドリング性能」を持っているからこそ、できることである。
Z34に課題がないわけではない。Z34はロードノイズがかなり大きい。高速道路を100km/hで走っていると、リアタイや付近から聞こえる「コー」という盛大なロードノイズで、オーディオの音がかき消されてしまうくらいだ。
しかし、価格を上げてまで、その対策をする必要は、少なくとも今のZにはないと考える。性能がピカピカに磨かれていなくても、多くのファンは、その登場を待ち望んでいるだろう。
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