■EVの最高速度は180km/hが合理的 変わるクルマの概念
別の視点で、ドイツ車でありながらEQCの開発者は、「EVでは最高速度は180km/hまでが合理的だ」とも語っている。アウトバーンのあるドイツといえども、速度無制限での走行は、EVの場合、合理性に欠けた利用の仕方になるということだ。
EVとは異なる話だが、スウェーデンのボルボは、交通事故死亡者ゼロを目指す安全のために、世界的に販売する新車の最高速度を180km/hにすると表明している。これにはドイツ市場も含まれる。
すなわち、20世紀に石油とエンジンを使って最高速度、超高性能を競ってきたクルマの追求が、21世紀には様変わりしていくことを、EVが示しているともいえるのである。そして自動運転を含めたさらなる交通の合理化により、最高速度ではなく、移動時間の短縮により目的地に早く着きたいという希望を叶えようとするのが未来像だ。
ノーベル賞を受賞した吉野彰は、AIEV(エイアイ・イーブイ)という構想を唱えている。人工知能と電気自動車を組み合わせ、共同使用することで、EVを最適に利用しながら、消費者の利便性や移動の経費がもっとよくなる未来を語っている。
EV各車両の性能を、エンジン車の概念で評価する時代は、間もなく終わるだろう。
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