新型ヴェゼル、ホンダeは期待のモデル
ホンダは、これまでも5ナンバー車の品揃えを守ってきた。そのなかで、2013年の発売から7年目に入るヴェゼルは2021年に新型が登場すると言われている。
現行ヴェゼルは2019年、1.5Lのガソリンターボエンジンを追加し商品力に幅を持たせたが、試乗すると競合他社に比べればさらなる改良点が見えてくる。ハイブリッドもi-DCDのままで旧態化は否めないから新型に期待がかかる。
さらに期待するところは、今年ホンダeが発売されるように、さらなる電動化への前進だ。
日産はアリアを2021年発売予定だ。輸入車で高い人気を博しているボルボXC40も2021年はEVが加わるだろう。
マツダのMX-30のEVモデルはいつ日本に導入されるかが定かではないが、いずれにしても、小型SUVにEVの流れが加速するかもしれない。トヨタへの対抗を考えるなら、EV化を早く推し進める必要があるだろう。
クルマだけにとどまらないのがホンダの強み
その際、ホンダらしさはどこに示せるだろう。やはり、2輪・4輪・汎用の各事業を持つ特徴を活かしていくことだと思う。
ホンダeは、一充電走行距離を約200kmとした割り切りを見せた。実際、日常的なEVの利用では実走行距離で200km走れたら十分だろう。
それ以上走行するのであれば急速充電をすればいいし、レンジエクステンダーによってエンジンで発電機を回し、補足してもいい。
かつて、1990年代に米国のアラン・ココーニという人物が、当時は鉛酸バッテリーしかなかったので走行距離は限られたが、シビックをEVに改良し、ロサンゼルスに住む彼にとって十分であった。これに、レンジエクステンダーを牽引する方式でつなぎ、全米を横断してもいる。
ホンダは、汎用部門で発電機を販売しているし、コージェネレーション用に高膨張比(アトキンソンサイクル)のエンジンも実用化している。
あるいは、石油液化ガス(プロパンガス=カセットボンベ)で動く発電機も市販した。そうしたさまざまな知見を活かせるのではないか。EVや発電機は、災害時などの停電に活用することも可能になる。
ホンダだからできること
将来の電動化社会を想像すれば、UNI-CABや電動スクーターの開発などの経験を活かした電動車椅子を開発すれば、障害を持つ人や高齢者が自立した生活をする助けともなるだろう。
車椅子も電動という動力を持てば、ホンダがいうパーソナルモビリティの一角をなすのではないか。
車椅子は一般的に黒など地味な色遣いが多いが、ホンダF1のナショナルカラーであったアイボリーのフレームに、椅子の背中に赤い“H”のマークが付いたら、車椅子で外出することも嬉しい気持ちになるのではないか。
フィットには、国内で唯一、障害を持つ人が自分で運転できる補助装置のテックマチックを設定している。EVの素早く正確な制御によって、より安全なクルマとなっていくだろう。
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