同じクルマでも印象はガラリと変わる!! 複数の顔を持つ現行日本車5選

三菱デリカD:5(2タイプ)

 2019年のビッグマイチェンでダイナミックシールを採用したフロントマスクで登場したデリカD:5。デビュー当初はあまりの悪の強さに賛否両論あったが、時間の経過とともにカッコいいという声が多数を占めるようになっているのが凄い。

 ほかのクルマでは採用例がない縦型のマルチLEDヘッドランプ、シャープなデザインのLEDポジションランプ、大型のフロントグリルによって構成されるフロントマスクの威圧感、存在感は右に出るものがないと思えるほど。

左が標準タイプで右が後から追加されたアーバンギア。どちらも存在感抜群でオフロード性能は同じなので好きなほうを選べばいい
左が標準タイプで右が後から追加されたアーバンギア。どちらも存在感抜群でオフロード性能は同じなので好きなほうを選べばいい

 そのデリカD:5には上級モデルとしてアーバンギアが新設されている。このアーバンギアはメッキタイプの専用グリル、専用デザインのフロントバンパーにより力強さはそのままに、メッキパーツの光沢感によりシャープな印象に仕上げている。

 アーバンギアはノーマルに対し約13万円高。オフロード性能は変わらないので、好きなほうを選べばいい。

アーバンギアのメッキグリルは高質感あり、標準よりも落ち着いた感じもある。標準のグリルがメッシュタイプに対しアーバンギアはスッキリとした横基調
アーバンギアのメッキグリルは高質感あり、標準よりも落ち着いた感じもある。標準のグリルがメッシュタイプに対しアーバンギアはスッキリとした横基調

トヨタパッソ(2タイプ)

 パッソはトヨタのベーシックコンパクトで堅調な販売をマークしている。ダイハツブーンのOEM車をトヨタはパッソとして3世代にわたり販売している。

 パッソは先代モデル(2010~2016年)で、ベーシックなモデルに加え、上質感を追求した+Hana(プラスハナ)という2タイプのモデルを設定し、それぞれに違うフロントマスクを与えた。

左がモーダ、右がX。旧型パッソも2タイプの顔が用意されていたが、現行モデルは非常に大きな差別化がされている。質感はモーダが圧倒的に高い
左がモーダ、右がX。旧型パッソも2タイプの顔が用意されていたが、現行モデルは非常に大きな差別化がされている。質感はモーダが圧倒的に高い

 現行パッソもそのコンセプトを踏襲し、ベーシックなXに対して上級モデルとしてMODA(モーダ)の2タイプを販売中だ。

 モーダは+Hanaの後継的モデルになるが、+Hanaよりもベーシックモデルに対してエクステリアデザインは明確に差別化されている。

 モーダは開口部の大きなサテンメッキのフロントグリルが特徴的で、グリルだけでなくヘッドランプのデザインまで変更されるなどかなり手が込んでいる。ちなみに、インテリアもアクセントカラーなどによりモーダは上質に仕上げられている。

 グレード違いだが、まったく別のクルマの印象となっていて、人気は高級感のあるモーダとなっている。

モーダはシートやダッシュボード、エアコン吹き出し口などにアクセントカラーがあしらわれている。X系よりも人気が高い理由でもある
モーダはシートやダッシュボード、エアコン吹き出し口などにアクセントカラーがあしらわれている。X系よりも人気が高い理由でもある

スズキワゴンR(3タイプ)

初代ワゴンRを彷彿とさせる縦長角型のヘッドランプをを採用するのはFAとFX。けっこう個性的な表情をしている
初代ワゴンRを彷彿とさせる縦長角型のヘッドランプをを採用するのはFAとFX。けっこう個性的な表情をしている
最上級グレードのFZは上下2分割されたヘッドランプを採用。ボディ外板が顔に回り込むなどデザインに凝っている
最上級グレードのFZは上下2分割されたヘッドランプを採用。ボディ外板が顔に回り込むなどデザインに凝っている

 軽自動車が標準とエアロタイプをラインナップするのはダイハツムーヴが先鞭をつけて以来、当たり前になっている。

 そんななか、3タイプの別顔をラインナップするのがワゴンRだ。

 ワゴンR伝統の縦長角型のヘッドランプを採用したFA&FX、かつてのアメ車を彷彿とさせる上下分割タイプのヘッドランプを採用したFZ、そして若い世代や男性をターゲットにしたバッファローの角を思わせるデザインのヘッドランプを採用したスティングレーとどれも個性的でオリジナリティがある。

 スティングレーは別モデルと考えても、同じハイブリッドのモデルに2タイプのフロントマスクを与えるというのは大変意欲的。グレード的にFA、FX、FZの順に高くなるので、FZにスペシャルなフロントマスクを与えたと考えるのが妥当だろう。

 そんな意欲作にもかかわらず、スーパーハイトワゴン旋風によって苦戦を強いられているのが少々残念である。

若者や男性ユーザーをターゲットにしたスティングレーはバッファローの角のようなデザインの縦長のヘッドランプでスポーティ感を演出
若者や男性ユーザーをターゲットにしたスティングレーはバッファローの角のようなデザインの縦長のヘッドランプでスポーティ感を演出

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