マツダ最上級SUVに新型登場! 日本未発売「CX-9」の知られざる実力とは?

■日本における最上級SUV「CX-8」どう違う?

2021年モデルCX-9。大まかなシルエットは前モデルを踏襲するが、フロントグリルの意匠が変更されているので顔の印象はずいぶん変わる

 CX-9は、全体的に見ればCX-8に対して、半車格くらいのグレードアップといったところで、具体的には以下の5つが主なポイントだろう。

・上級グレードではローズウッドや削り出しのアルミパネルの採用といったインテリアの高級感向上

・ボディサイズ拡大による室内幅、3列目の前後方向、ラゲッジスペースの広さ

・エンジンラインナップは、CX-8が2.5LガソリンのNA/ターボ、2.2Lディーゼルターボの3つなのに対し、CX-9は2.5Lガソリンターボのみ

・タイヤサイズが17インチと19インチのCX-8に対し、CX-9は1インチアップの18インチと20インチ

・ボディサイズ拡大などもありCX-9の車重は2.5Lガソリンターボの最上級グレード同士だと、CX-8の約100kgプラスとなる1990kg

 といったことが挙げられる。

■CX-9のアメリカでのライバルSUVは?

新型CX-9のライバルとなるのは、写真のトヨタ ハイランダーなど、乗用車ベースかつ3列シートを持つラージSUVだ

 「3万ドル台前半から4万ドル台前半の価格帯が中心で、ボディサイズが全長5m級×全幅2m級の乗用車ベースかつ3列シートを持つラージSUV」というスペックがCX-9のライバル車となるのだが、アメリカでこのジャンルは日本におけるミドルSUVのように車種が多い。

 国産ではトヨタのハイランダーや日産 パスファインダー、ホンダ パイロット、スバル アセントなどが該当。

 ハイランダーは、かつて日本で販売されたこともあるクルーガーの現代版で、RAV4を拡大したようなモデル。3.5L V6エンジンに加え、2.5Lハイブリッドも設定している。

 アセントは、スバル新世代のSGPプラットホームを使い、エンジンは2.4L直噴水平対向ターボを搭載する海外専売SUVだ。

 輸入車ではシボレー トラバース、フォード エクスプローラー、VW アトラス(パサートをベースにしたラージ3列シートSUV。エンジンは2Lターボと3.6L・V6)などが競合。

 また、韓国勢の現代 パリセードと起亜 テルライドも該当。現代と起亜はプジョーとシトロエンのような関係なので、テルライドとパリセードは共通する部分が多いが、テルライドはSUVらしいワイルドなキャラクターを持つ。

 この関係はハリアーとRAV4にも似ている。

 ライバル車が多いなかでのCX-9のアドバンテージは質感の高いインテリア、つまり最近のマツダ車が目指している方向、部分ということだろうか。

*   *   *

 CX-9が日本に導入される可能性はCX-8があることもあり、ゼロに近いだろう。しかし、マツダはミニバンから撤退したという事情もあるにせよ、CX-9を日本向けとしたCX-8をラインナップしている。

 これは大変立派なことで、新鮮さがあったのも後押しして、登場からもうすぐ3年となる現在も堅調に売れているのもよく分かる。

 それだけに現在3列シート車がないスバルは難しいところもあるにせよ、ミニバン代わりにもなるアセントの日本導入を考えてもいいのではないだろうか。

【画像ギャラリー】日本未発売のマツダ最上級SUV「CX-9」2021年モデルを写真で見る

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