2017年10月27日未明、報道各社より「スバルも無資格者が検査」というニュースが報じられました。内容は以下のとおり。
○スバルの国内工場(群馬製作所)でも、完成車として認定する社内資格を持たない人間が完成検査に携わっていたと社内調査で判明したこと
○10月中に国交省へ報告すること
○リコールが必要かどうかは(車種や範囲も含めて)今後判断すること
○無資格で検査していた人間は研修前の社内試験に合格しており、一定の知識・技能があると判断されていたもようであること
日産自動車が無資格者検査問題を最初に公表してから約1カ月。はたしてスバルに何が起こったのか。そしてこの問題はどれほど根深いのか。速報情報をまとめつつ、これまでのニュースを整理してお届けします。
文:ベストカーWeb編集部
■報道内容は事実 近いうちに「説明する場」を設定
10月27日朝、当サイトがスバル広報部に問い合わせたところ、「詳細についてはコメントできませんが、報道内容は事実です。現在、当社として本件に関してどう発表するか、記者会見も含めて対応を検討中です」とのこと。
「それは本日中に会見を開く可能性もある、ということでしょうか?」と聞くと、「それも含めて検討中です」と回答した。
群馬製作所の取り扱い車種はレヴォーグ、インプレッサ、XV、WRX、BRZ。もし仮に日産と同じ対応をとる場合(過去3年(最初の車検を受けるまで)ぶんの国内向け販売車すべてをリコール)、約30万台規模のリコールとなる。
日産に続きスバルでも発覚した「無資格者検査問題」は、ひとえに「日本のモノ作りへの信頼性が揺らぐ」というふうにザックリと語られる。
それは間違ってはいないのだが、しかし本件にはいくつかの問題が複合的に絡み合っている。以下それを整理してお伝えしたい。
■3つのポイント、「メーカー側」、「国の制度側」、「発覚後の対応」
この9月から日本の製造業全体を揺るがしている「無資格者検査問題」には、3つのポイントがある。
まずひとつめはもちろん「メーカー側の体制の問題」。
「いいクルマを作るというモチベーションは高いが、法令遵守の意識が薄かった。個人対象の処分ではなく、再教育を徹底したい」
上記は、日産自動車の無資格者検査問題で謝罪した西川廣人社長が会見で語った印象的な言葉だ。新車の完成検査は国がメーカーを信頼することで成り立っている制度であり、いわば(ちゃんとやっているだろう、という)性善説を前提としている。
そうした状況であるにも関わらず、検査の現場では法令遵守(コンプライアンス)の意識が欠けていたことが今回大きな問題に発展した最大の要因といえる。
「完成検査」のチェックの厳しさは日本の製造業の信頼性を支える根幹部分であり、ここに法令遵守意識が欠けていたとなれば、それは大問題となって当然だろう。
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