ハンドルから伝わってくる振動がサイン
リムの上をタイヤが回ってしまうと、せっかく取ったホイールバランスが台無しになってしまい、振動も出てきてしまいます。
ちなみにホイールバランスが狂った時の振動は、80km/hくらいで走行しているときにピークになります。
50km/hくらいではあまり気にならないことが多いのですが、速度を上げていくにしたがってハンドルから”ぶるぶる”といった振動が感じられるようになります。
振動の大きさは、ホイールバランスが狂っているタイヤの位置やバランスのずれ量(重さ)によって異なります。
前輪の左右どちらかのタイヤバランスが狂ってしまったときは、ハンドルに直結しているので割とはっきりと”ぶるぶる”といった振動が出ます。
リアタイヤの場合はボディを振動が伝わってくるので、振動がちょっと小さめなことが多いです。
前述のとおり、ホイールバランスが狂っているときの振動は80km/hくらいでピークになり、120km/hくらいで小さくなります。
50km/hくらいから振動が明確に出ていたり、120km/hを超えても振動が収まらない場合は、別の理由で振動が出ていることが考えられるので、しっかした点検が必要です。
タイヤ交換時もトラブルの要因のひとつ
タイヤ交換に関係して考えられるのはホイールナットの緩みです。特に新品のホイールに組み込んだ場合は注意が必要です。
ボクが経験したのは、ホイールナット穴に中まで塗装が施されていて、走行の熱でナット穴の中の塗装が剥がれナットが緩んでしまったということがありました。
このケースは、初めにどんなにきつくナットを締めてもダメ。塗装部分をサンドペーパーやリューターなどで削るか、もっと簡単な方法は、数十km走って増し締めすることです。
こんなこともあるので、ホイールを組んでしばらくの間は、タイヤとリムがなじみ、ホイールの緩みが起こっていないか注意しながら走るのがいいと思います。
スタッドレスタイヤも皮むきが必要
もうひとつの理由はタイヤの皮むきです。こちらは直接タイヤの性能に関わる部分で、慣らしをすべきメインの理由です。
タイヤは製造過程の最後に過硫という工程を行います。トレッドが刻まれた釜の中にタイヤを入れ、中から圧力をかけながら150℃前後の温度で数十分熱を加えます。
これによってタイヤにトレッドの凹凸が刻まれるのですが、同時にゴムの強度(柔軟性)を出しています。
この時タイヤは熱を加えることでトレッド表面に薄い皮ができるのです。文字どおり薄皮程度の被膜ですが、この部分はつるんとして、ゴムの質も少し硬め(メーカーにもよるようです)で、ゴムの柔軟性も少し落ちるし、吸水機能も発揮できていません。
最近では、ほとんどのスタッドレスタイヤがリブレット加工という、トレッド面表面に細かな凹凸加工を施して対策していますが、これも完全ではありません。
できればこの凹凸や薄皮がある程度摩耗するまで走って、スタッドレスタイヤ本来の性能が出せるようになるまで慣らし運転をすると、本番の雪道で、そのスタッドレスタイヤ本来の性能を発揮してくれます。
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