■パンチの聞いた加速で走りは意外と刺激的!
驚いたのは予想よりもかなり速いこと。スポーツモードにするとR.S.ならまだしも、普通のBセグ車なのにこんなに速いのか!? というほどパンチの効いた加速を示す。
それもそのはず、Bセグとしてはかなり強力な25.5kgmのトルクを、旧R.S.よりも低い1600回転で発生させているというのだから、どうりで速いはずだ。おかげで標準モデルでありながら走りはとても刺激的で、ドライブしていて楽しい。
DCTも乾式の従来型はトラブルを抑えるためか変速の制御がマイルドで、なんのためのDCTなのかという気もしたところ、湿式の新型はダイレクト感もあり、シフトチェンジの歯切れもよく、DCTの旨みが出ている。
足まわりの印象も変わった。ルーテシアはもともとフランス車と聞いてイメージするものとは少々違って、よりグローバルな、どちらかというとドイツ車的なBセグとしてはドッシリとした印象があった。
新型はその味も持ちつつも、キビキビとしたフットワークを身につけたことで、操る楽しさも増した。ワインディングもより楽しめそうだ。
また、新型はサスペンションの取り付け剛性が高められたほか、リアのトラベル量も増しているらしく、おかげで後席の乗り心地もよくなり、突き上げも解消していた。
加えて静粛性もずいぶんよくなっていた。タイヤはさておき、パワートレーン系の遮音や風切り音への手当は手厚く施されたことがうかがえる。
また、空力への注力ぶりもほぼフラットにされた床面を見れば明らかだ。
日産のプロパイロットにルノー独自の制御を盛り込んだという先進運転支援装備の仕上がりも上々だ。レーンセンタリングアシストを試すと、絶妙な介入のさじ加減にも感心。
ビシッと中央を維持しながらも運転をジャマすることのない、ほどよい柔軟性を持ち合わせている。これはかなり使えそうだ。
ユニークなデザインはもちろん、最先端の安全技術を搭載し、さらにはBセグの常識を打破した走行性能と質感と、充分すぎる実用性も身につけた新型ルーテシアは、輸入車の入門者からダウンサイザーまで幅広い層にとって目を向ける価値のある、超実力派だ。
先代の4代目ルーテシアは曲面で構成された官能的なエクステリアデザインが好評。6年連続でBセグの欧州ベストセラーを獲得し、2013年~2018年で260万台を販売。初代からは4世代の累計で1500万台を販売している
●先代型を100点とした場合の新型の採点
・動力性能:145点
・ハンドリング:130点
・乗り心地:115点
・静粛性:125点
・コストパフォーマンス:120点
・トータル性能:130点
●運転支援システムを採用
日産「プロパイロット」に独自の制御を加えた運転サポートシステム「ハイウェイ&トラフィックジャムアシスト」、車両の周囲の状況を俯瞰映像で映し出して駐車時などに確認できる「360°カメラ」などが、インテンス テックパックに装備。また、「オートハイ/ロービーム」がインテンス、インテンス テックパックに標準装備される。
●ルーテシア インテンス テックパック 主要諸元
・全長×全幅×全高:4075×1725×1470mm
・ホイールベース:2585mm
・最小回転半径:5.2m
・車両重量:1200kg
・エンジン:直4DOHCターボ
・排気量:1333cc
・最高出力:131ps/5000rpm
・最大トルク:24.5kgm/1600rpm
・ミッション:7速DCT
・サスペンション(前/後):ストラット/トーションビーム
・WLTCモード燃費:17.0km/L
●ルノー 新型ルーテシア価格
・ゼン(受注生産)……236万9000円
・インテンス……256万9000円
・インテンス テックパック……276万9000円
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