コロナ禍が収まらないなかで日々、さまざまなニュースが目まぐるしく舞い込んでくるクルマ界。
本企画ではそんな最新ニュースについて、おなじみの自動車評論家&ライター陣に独自の視点で深く斬りこんでもらい、そのニュースの裏側に潜んでいる物事の本質に迫っていただくことにした。
果たしてどんな深層が見えてくるのか? クルマは人の営みを映す鑑のようなものなのだ。
●トピック
・運転免許の学科がオンライン化へ
・マツダが米国で初のブランド首位に! その地道な努力の軌跡
・世界の電動化への道筋は?
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※本稿は2020年12月のものです
文/桃田健史、国沢光宏、永田恵一、写真/AdobeStock、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2021年1月10日号
■運転免許の学科がオンライン化へ
小此木八郎国家公安委員長が11月13日午前、閣議後の記者会見で、運転免許証を取得する際などに通う民間の指定自動車教習所の学科教習をオンライン化する方針を明らかにした。
* * *
なんと! 自動車免許教習場の学科教習がオンラインになるという。
普通免許を取得する場合、26時間の学科教習を受けなければならない。現状だと教習所に行き、教室で受講する。
昨今、新型コロナ禍により教室の狭い教習所は感染防止策に苦労しているそうな。
すでに免許更新時の講習もオンラインにしようと動き始めていることもあり、対応できるモノはすべてオンラインにしていこうということなのかもしれません。
私自身、オンライン教習のメリット&デメリットを認識していないのだけれど、システムによっては居眠りの有無まで検知できるというから、厳密にやろうとすれば教室での教習より効果上がるかもしれません。
ただ、中途半端な方法だと26時間が形骸化してしまう可能性だって大いにありうる。
もうひとつメリットあります。いわゆる「団塊の世代」と言われる先輩方は人口比率が高い。今後10年くらいの間、免許更新時に高齢者の教習を義務づけられる教習対象者が激増すると予想される。
すでに2~3カ月待ちも当たり前の状況。こういった皆さんを待たせないため、教習所に余裕を持たせないとならないのだった。
ちなみに高齢者とオンライン教習の相性はあまりよくないと思われます。高齢者教習についちゃ教室で行う必要大。
興味深いのはコスト。リアルな講習よりオンラインのほうが絶対に安くつく。そのぶんの値下げを行うのだろうか?
学科教習は1時間あたり2200円前後。26時間だと6万円近い。半額になると免許取得費用で10%くらい安くなる。そうなれば免許取得のハードルだって低くなる。自動車業界的には大歓迎です。
(TEXT/国沢光宏)
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