■内気循環は二酸化炭素濃度が最大6倍! 使うなら「ピンポイント」で
「内気循環」は、車内の空気を再びエアコンに取り込み、温度調節をして、車内に再び吹き出しています。一度温めた空気を循環させるため、冷暖房効率は上がりますが、外気を取り入れた「換気」にはなりません。
クルマの取扱説明書にも、運転中は原則、「外気導入」を使うように書かれています。その理由は「CO2濃度の上昇」です。JAFの調査によると、「内気循環」車の方は、「外気導入」車に比べて、CO2濃度が4~6倍ほどに増えていたそう。乗車した人の中には、眠気や軽い頭痛を感じる人がいたようです。
テスト実施日は2019年4月3日。2台のクルマを使い、高速道路、郊外・山道、市街地、と走行調査したそうです。CO2の濃度の上昇は、ドライバーの疲労感の増加や、注意力の低下、さらには眠気や頭痛など、その状態のまま運転するのが危険な状況にもなってしまいます。
内気循環は、外気の取り入れをある程度、制限できますので、エアコンフィルターでは除去しきれない臭いが車内に入ってしまうのを防ぎたいときに、ピンポイントで使うのがおすすめです。
これから花粉の季節が到来しますが、この時期に「(花粉が舞っている)外気を取り込みたくない」という理由で内気循環をつかう方が多いようです。
しかし、前述したように、外気導入でも、最近のエアコンのフィルターは、ある程度の花粉を除去できるため、外気導入でも花粉を心配する必要はあまりなく、クルマに乗り込む際に、衣類に付着した花粉を除去することの方が重要のようです。
上記のJAFの調査でも、車室内で測定した花粉量については、わずかな量しか確認することができなかったそうです。
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コロナ禍において、車内の換気については、ドライバーひとりならば「エアコン+外気導入」。複数人で乗車するならば「エアコン+外気導入(ときには風量強め)」と「必要に応じて窓開け」、そして外気を取り込みたくないときにだけ「内気循環」を短時間使用、という使い分けがいいのではないか、と考えます。
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