【エアコンは賢く使う快適&安全装備】外気導入と内気循環の正しい使い方

 暑かったり寒かったり、日々の気候差が激しく、さらには花粉や黄砂も気になるこの季節、クルマの空調スイッチを押す機会が増えるかと思いますが、みなさんは外気導入と内気循環の正しい使い方をご存じでしょうか。

 このふたつ、うまく使い分けないと、ドライブ中に危険な目に遭うことになってしまうかも知れないのです。

文:吉川賢一
写真:池之平昌信、ベストカー編集部


外気導入は「換気」と考える

 「外気導入」は、言葉の通り、外気を取り入れてくれるモードであり、車内の空気を入れ替えたいときに使用します。

 外気導入を使うと、車内の温度を外気温に近づけることができますので、外気との温度差(湿度差)が原因で生じる「ガラスの曇り」は取れやすくなります。

外気導入することで写真のようなガラスの曇りが取れやすくなる

 外気導入は、真夏の暑い時期にも活躍します。クルマに乗り込んだ時のムッとする暑さから、最も効率的に冷やすには、まず窓を全開にして、A/Cスイッチをオン、同時に外気取り込みにします。

 車内の温度が下がってきたのを確認出来たら、外気の取り込みをやめて、内気循環にすれば、車内の温度を、効率的に素早く冷やすことができます。

 外気導入は「いやな臭い」にも効果的です。食べ物の匂いやたばこのにおい、ペット臭、口臭など、他の人にとって不快に感じる臭いが車内にこもっている場合、内気循環では一向に解消されませんが、外気導入にすれば、空気を入れ替えることができます。

 露骨にウィンドウを開けて同乗者に「むっ」とされるよりも、外気導入のスイッチをそっと押して解決しましょう。

 また、駐車時にも、外気導入にしておくといい場合があります。カーエアコン始動時に、カビくさい臭いが気になったこと、ありませんか。

 これは、エアコン装置内に付着した、さまざまなホコリや雑菌などが原因で発生する臭いです。

 車内の状況が酷くなる前に、エアコンクリーニングをお薦めしますが、少しでも軽減するために、駐車時は「外気導入」にしておくこともひとつの方法です。

内気循環は「外気の方が臭い」ときに有効

 内気循環の使いどころは、「外気の環境が悪いとき」です。

 例えば、渋滞で大型トラックの排気を受けてしまう位置に停止してしまった場合や、スギ花粉が充満していそうな林を通過するとき、火事などで焦げた匂いが充満している跡地、もしくは家畜が多くいる牧草など、外気を吸いたくないときに使うのがおススメです。

内気循環を使うことで外気の臭いを防ぎ、冷暖房効率が上がる

 内気循環は、外気の取り入れを制限できますので、エアコンフィルターでは除去しきれないこうした臭いが車内に入ってしまうのを、ある程度防ぎたいときに効果的です。

 また、車内の温度を急速に上げたい、もしくは下げたいときなど、内気を循環させた方が、冷暖房効率は上がります。

 また梅雨時など、外気温が高くかつ湿度も高い場合には、内気の湿度の方が低いので、内気循環とエアコンを併用するとガラスの曇りを予防できます。

 内気循環と外気導入の操作ができるカーエアコンの場合、取扱説明書には、通常時には外気導入での利用を推奨しているはずです。内気循環は、必要なときに意図的に切り替えて使う、というのが自動車メーカーの考えです。

原則は「外気導入」を使いましょう

 JAFによると、「排ガスや花粉を嫌い、車の空調を内気循環にするドライバーがいる。そのままで問題ないかを内気循環と外気導入に分けて、車内環境について検証した」とのことで、その結果がJAFのホームページに記載されています。

参考 JAF公式:ドライブ中で、空調は「内気循環」「外気導入」どちらがいいの?

 テスト実施日は2019年4月3日。2台のクルマを使い、高速道路、郊外・山道、市街地、と走行調査したところ、「内気循環」車の方は、「外気導入」車に比べて、CO2濃度が4倍から6倍ほどに増えていたそう。

 乗車した人の中には、眠気や軽い頭痛を感じる人がいたようです。また、車室内で測定した花粉量については、わずかな量しか確認することができなかったそうです。

 「最近のエアコンフィルターは、ある程度花粉を除去できるため、外気導入でも花粉を心配する必要はあまりなく、衣類に付着した花粉や、乗降時に車内に付着した花粉を除去した方が重要だと思われる」(JAF報告より抜粋)、とのこと。

 CO2の濃度の上昇は、ドライバーの疲労感の増加や、注意力の低下、さらには眠気や頭痛など、その状態のまま運転するのが危険な状況になりえます。

 外気導入と内気循環の違いをよく理解し、うまく使い分けることをお薦めします。