カーボンニュートラルに逆行!? スズキソリオがストロングハイブリッドを廃止した理由と今後の動向


販社はストロングハイブリッドを積極的に売らなかった!?

 この点を開発者に尋ねると、「ソリオ全体に占める(ストロングハイブリッドの)比率は、5~10%と低かった。売れ行きが伸びなかったから廃止した」という。

 ストロングハイブリッドの比率が低い理由として、マイルドハイブリッドと比べた時の燃費と価格のバランスがあった。

 先代ソリオのストロングハイブリッドの価格は、マイルドハイブリッドに比べて22万円ほど高かったが、当時のJC08モード燃費はストロングハイブリッドが32.0km/L、マイルドは27.8km/Lであった。

 そうなるとレギュラーガソリン価格が1Lあたり140円、実用燃費をJC08モードの85%で計算して、価格差を燃料代の差額で取り戻すには27~28万kmの走行を要する。ストロングハイブリッド搭載車を購入しても、燃料代でトクをするのは難しい。

旧型ソリオのストロングハイブリッド搭載車に組み合わされていた5AGSはCVTと運転感覚が異なり、賛否が分かれた

 トランスミッションの違いもあった。ストロングハイブリッドに組み合わせるのは、5速AGS(オートギヤシフト)だ。1組のクラッチを使う有段式の電子制御ATになる。

 このATは、マイルドハイブリッドが搭載する一般的なCVT(無段変速AT)に比べると、加速時のシフトアップが滑らかに行われにくい。シフトアップに時間が掛かり、エンジン回転を下げてしまうからだ。

 そこでスズキの5速AGSは、シフトアップのタイミングを見計らって、反応の素早いモーターの駆動力を強める制御を行う。

 この効果により、1組のクラッチを使う有段ATの中では加速を滑らかに仕上げたが、それでも多くのユーザーが使い慣れたCVTとは運転感覚が違う。アクセルペダルを穏やかに操作すれば不満はないが、ラフに扱うと違和感が生じやすい。

 こういった事情があるため、販売店では、「お客様にストロングハイブリッドを積極的に推奨する売り方はしていない」という。販売比率も前述の5~10%と伸び悩み、新型ソリオはストロングハイブリッドを採用しなかった。

スイフトのストロングハイブリッドは継続!?

ストロングハイブリッド搭載のスイフトハイブリッドSZ。マイルドハイブリッドとの燃費差は2km/Lだが、価格はストロングハイブリッドのほうが20万7900円高い

 現時点でストロングハイブリッドを搭載するスズキ車は、スイフトハイブリッドSZのみだ。販売店によると、「スイフトで好調に売れるグレードはRSとXGになる。ストロングハイブリッド(SZ)は、価格が200万円を超えることもあってあまり売れていないが、廃止する話も聞いていない」という。

 スイフトの場合、マイルドハイブリッドのWLTCモード燃費は21km/L、ストロングハイブリッドは23km/Lだ。燃費数値は2km/Lしか違わないが、価格はストロングハイブリッドが20万7900円高い。

 こうなるとストロングハイブリッドは割高と受け取られ、先代ソリオと同様、大半のユーザーがノーマルエンジンかマイルドハイブリッドを選ぶ。

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