生き延びてほしかった!? 車種整理でこれから消えるトヨタ車は?


■プリウスとアクアは昨年から販売減少中だが……

プリウスとアクアの販売台数減少が目立つ。2020年の登録台数の対前年比はプリウスが54%、アクアは57%

 ハイブリッド専用車のプリウスとアクアも、売れゆきを大幅に下げた。2019年はプリウス(PHVやαを含む)が小型/普通車の登録台数1位になり、アクアも上位に入ったが、2020年の対前年比はプリウスが54%、アクアは57%で半数近くまで減っている。

 コロナ禍の影響もあるが、小型/普通車市場全体の対前年比は12%の減少だから、プリウスとアクアの下落率は他車よりも大きい。

 この2車種の不調にも、全店併売が影響した。2020年の対前年比を月別に見ると、全店が全車を扱うようになった5月以降の落ち込みが大きい。2020年7月の対前年比は、プリウスが35%、アクアも38%にとどまった。

 全店が全車を扱う前は、例えばトヨタ店やトヨペット店の顧客がコンパクトなハイブリッド車を欲しくなった時、ヤリス(旧ヴィッツ)はネッツトヨタ店の専売だから全店扱いのアクアを買った。しかし今なら設計が新しく、安全装備や運転支援機能の充実したヤリスを全店で購入できる。アクアの登録台数は当然に下がる。

 プリウスも同様で、今なら全店扱いの設計が新しいカローラツーリングのハイブリッドも用意される。

 トヨタの販売店では「全店で全車を売るようになり、アクアやプリウスのニーズが、ほかのハイブリッド車に分散されている。また今ではハイブリッドが珍しい存在ではなくなり、ハイブリッド専用車のアクアやプリウスにステイタスを感じるお客様も減った」と述べている。

 ちなみにカローラツーリングの76%をハイブリッドが占めるので、確かにプリウスのユーザーが移ったこともあるだろう。

 そうなるとプリウスとアクアの使命は終わったといえそうだが、プリウスは1997年に世界初の量産ハイブリッド乗用車として発売された。20世紀を代表するトヨタ車が1955年に発売されたクラウンだとすれば、21世紀の初頭はプリウスの時代だった。知名度は抜群に高く、廃止するには惜しい。

 アクアも同様で、特にコンパクトなサイズは日本の使用環境に適している。従ってプリウスとアクアは、最先端の低燃費技術を搭載するハイブリッドのスペシャルティカーとして進化させていくのが順当だ。

■カローラアクシオ&フィールダーは需要がある?

3ナンバーサイズのカローラツーリング/セダンに対して、カローラアクシオ/フィールダーは5ナンバーサイズの従来型。発売は2012年で、設計の古さが目立つ

 このほか従来型を継続生産するカローラアクシオとフィールダーも気になる。

 2020年の国内におけるカローラシリーズの販売内訳を見ると、カローラツーリング:48%、カローラセダン:14%、カローラスポーツ:14%、継続生産のカローラフィールダー:14%、同じくカローラアクシオ:10%になる。つまり継続生産型がカローラシリーズ全体の24%を占めた。

 販売店によると「法人のお客様と、一部個人のお客様は、5ナンバーサイズを重視する。特にカローラフィールダーは、法人がバンとして使うことも多い。プロボックスに比べて後席が広いので、4人で乗る時に重宝されている」という。

 それでもカローラアクシオ&フィールダーは設計が古く、衝突安全性や衝突被害軽減ブレーキの性能は、3ナンバーサイズのカローラツーリング/セダン/スポーツに見劣りする。今後はヤリスをベースにした5ナンバーセダンに置き換えて欲しいが、なかなかそうもいかない。

  3ナンバーサイズの現行カローラセダン&ツーリングが登場した時、開発者は「カローラアクシオ&フィールダーを併売する期間は、今後おそらく1年程度だろう」と述べたが、すでに1年半を経過した。

 車種の廃止は仕方ないが、ユーザーが困らないように、乗り替えられる新型車を用意して欲しい。単純な廃止は不便を招く。

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