どうなるトヨタbZ4Xとスバルソルテラ 価格は500万円?

■バッテリーや航続距離のボーダーラインは?

トヨタとスバルの共同開発のEV概要
トヨタとスバルの共同開発のEV概要

 先に指摘したように、海外ではすでに激戦区と化したコンパクトSUV EVとして投入されるはずのbZ4とソルテラのスペックはどうなるのだろうか。

 エクステリアはbZ4Xとソルテラを見ると、前後の意匠に違いはあれど、トヨタの今流のエッジを効かせたクロスオーバースタイルを採っている。そのうえで、ボディサイズについては全長が4600~4700mm、ホイールベースは2700mmあたりに落ち着くのではないか。

 パワーは200ps以上を設定したうえでトップグレードを400psに近い程度に仕立てるなど、グレードによって幅を持たせるためには、バッテリー容量を60~90kWhに設定しておけば対応可能なはず。

 評価のカギとなる航続距離は500km程度(できれば600km)まで届くかどうかだ。あとはバッテリーを含む車重とコスト(価格)との兼ね合いということになるだろう。

 最後に商品性の話をすれば、たとえばアウディがQ4 e-トロンを「日常ユースに適した様々な用途に対応するオールラウンダー」と謳っているように、コンパクトSUVにはニーズとして街中などを含む使い勝手に優れていることが求められる。

 このように新規参入するbZ4Xとソルテラには、EVとしての性能に加え、まずはクルマとしての確かな魅力が備わっていることを期待したい。

■トヨタ&スバルを待ち受ける海外メーカーのSUVはどんなものがある?

 最後に、世界市場で販売される予定のbZ4X/ソルテラなので、すでに世に送り出されているドイツ3メーカーの主なSUV EVのスペックについて、おおまかながらおさらいしてみよう。

●メルセデス・ベンツEQC

GLCのプラットフォームをベースにしたメルセデス・ベンツEQC。駆動方式は4WDのみ。最高出力408ps/765Nm、航続距離400km、リチウムイオン電池容量は80kWh
GLCのプラットフォームをベースにしたメルセデス・ベンツEQC。駆動方式は4WDのみ。最高出力408ps/765Nm、航続距離400km、リチウムイオン電池容量は80kWh

 メルセデス・ベンツはクロスオーバーSUVで先行した観があるが、EQブランドをコンセプト段階を含め、A/B/C/E/G/S/VとEQの”フルラインナップ化“を着々と進めている。このうち、コンセプト段階ながら去る9月に開催されたIAAミュンヘンでは、コンセプトSUVとしてGクラスのEV版といえる「EQG」を登場させたことも注目だ。

 EQブランドの先陣を切ったEQCは既存のSUVであるGLCのプラットフォームを基本とした4WDとして仕立てられ、日本仕様の航続距離は400kmとされている。

・メルセデス・ベンツEQC:最高出力408ps/最大トルク765Nm、航続距離:400km、電池容量:80kWh 4WD
全長:4760×全幅1885×全高1625mm、ホイールベース:2875mm
(数値は日本仕様)

●アウディQ4 e-トロン

2021年4月に発表されたアウディQ4 e-トロン。ボディサイズは全長4590×全幅1865×全高1632mmとQ5とQ3の中間に収まる。電池容量は51.5~76.6kWh
2021年4月に発表されたアウディQ4 e-トロン。ボディサイズは全長4590×全幅1865×全高1632mmとQ5とQ3の中間に収まる。電池容量は51.5~76.6kWh

 アウディは現状で、EVの「e-トロン」モデルとして、クロスオーバーモデルのe-トロンとともに、クーペスタイル・セダンのGTを設定。

 2021年4月に発表した欧州Q4 e-トロン(とQ4 スポーツバックe-トロン)は、アウディ曰く「コンパクトSUV」とされ、Q5とQ3の中間のボディサイズに収めている。

・アウディQ4 e-トロン:最高出力170~299ps/最大トルク310~460Nm RWD/4WD、電池容量:51.5~76.6kWh、航続距離:447~521km(Q4 e-トロン)※数値は35~50クワトロ
全長4590×全幅1865×全高1632mm/1615mm(スポーツバック)、ホイールベース:2760mm
(数値は欧州公表値)

●BMW iX3

中国で生産されるX3ベースのSUV、iX3。iXの全長は4953mmだがiX3は4734mm。航続距離460km、電池容量は80kWh
中国で生産されるX3ベースのSUV、iX3。iXの全長は4953mmだがiX3は4734mm。航続距離460km、電池容量は80kWh

 BMWは日本市場に向けにSUV EVとしてラージクラス(全長:4953mm、ホイールベース:3000mm)の「iX」とともに、コンパクトSUVの範疇に入るX3をベースとした「iX3」を導入予定としている。

 bZ4Xとソルテラの比較対象となるはずだが、欧州市場で2020年7月に登場、2021年8月に小変更を受け、いずれはRWDに加え、4WDもラインナップに加わってくるかもしれない。生産されるのが中国というのは、iX3の主戦場であることを意識した手法といえる。

・BMW iX3:最高出力286ps/400Nm、電池容量:80kWh、航続距離:460km(RWD)
全長4734×全幅1891×全高1668mm、ホイールベース:2864mm
(数値は欧州仕様)

●フォルクスワーゲンID.4

ID.3と共通のEV専用プラットフォームを採用するID.4。電池容量は77kWh、航続距離520km
ID.3と共通のEV専用プラットフォームを採用するID.4。電池容量は77kWh、航続距離520km

 フォルクスワーゲンがEVブランドとして展開するIDシリーズにID.3に続くコンパクト・モデルとして投入したのが、クロスオーバーSUVであるID.4。

 全長は4580mmとアウディのQ4 e-トロンに近いのも同じグループの製品とはいえ、このあたりが欧州ではSUV EVの売れ筋であることを感じさせる。基本は後輪駆動ながら、前後モーター駆動で299psの4WD仕様となる「GTX」も要注目だ。

・VW ID.4:最高出力204ps/最大トルク310Nm、電池容量77kWh、航続距離520km(RWD)
全長:4584×全幅1852×全高1612mm、ホイールベース:2766mm
(数値は欧州仕様)

【画像ギャラリー】2022年は新車ラッシュ!! EV激戦区に乱立するSUVラインナップ

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