■サイズはRAV4に近い?
さらに想像力を膨らませて、bZ4X/ソルテラのボディサイズを、両社の既存のSUVモデルから類推してみよう。
まずはトヨタのCセグメントのイメージとして、日本で販売されているSUVを思い浮かべると、プリウスなどに採用されているGA-Cプラットフォームを使用するC-HR(全長:4385mm)とレクサスUX(全長:4495mm)がある。ホイールベースは2640mmと共通だ。
対して、カムリなどGA-Kプラットフォームを採用するRAV4(PHV)を見ると、全長が4600mm、ホイールベースが2690mm。(全幅:1855mm、全高:1690mm)となる。
いっぽう、スバルのC/DセグメントのSUVであるフォレスターは、全長が4640mmとされ、ホイールベースが2670mm(全幅:1815mm、全高:1715mm)となっている。
ここでEV専用プラットフォームであるe-TNGAとe-SGPの成り立ちを考えてみると、トヨタはe-TNGAを主にC/Dセグメントを対象に使用するとしている。
EV専用プラットフォームとして、前中後の3つに分割して、前アクスル部は完全固定したうえで、ホイールベースと前後トレッド/オーバーハングの寸法が変更可能。個々のモデルのボディサイズやカテゴリーの変化や駆動方式の変更に対応すべくモジュール化が図られている。
このように今回の共同開発車に関するプラットフォームの役割としては、サイズ的にはGA-Kの守備範囲に収まるのではないかと想像できる。理由としては、ボディサイズが北米トヨタのアナウンスでは「RAV4に近い」とされていることがある。
■SUV EVに求められるスペックとは?
ここからはすでに登場している他メーカーのSUV EVの成り立ちからbZ4Xとソルテラのスペック、具体的にはモーターのパワー出力やリチウムオンバッテリーの容量、航続距離などを占ってみよう。なお、航続距離についてはWLTCモードとなる。
すでに日本メーカーとして先行して発表された、日産のコンパクトSUVであるアリアを見てみると、アリアは全長:4595mm(全幅:1850mm、全高:1655mm)に対して、ホイールベースが2775mmと全長からすると長めに設定され、前後オーバーハングを削り取ったスタイリングを特徴とする。
駆動方式は後輪駆動と「e-4ORCE」と呼ばれる四輪駆動システムを設定して、2種の駆動方式と2種の出力仕様を用意。標準で63kWh、上級で87kWhの2種類のバッテリーと組み合わせている。
航続距離はバッテリー容量87kWhの4WDの約430kmから同63kWhのRWD仕様の約610kmまで結構な幅がある。モーターの出力/トルクと一充電航続距離は以下の通り。
■日産アリアのパワートレイン
■160kW/215ps(178kW/235ps)、300Nm
■250kW/340ps(290kW/395ps)、560(600)Nm
※(カッコ内は4WD)
航続距離:450/610km(RWD)、430/580km(4WD)
(※数値はWLTC社内値)
こうしてみると、アリアがパワーや航続距離について、そつなくカバーすることを目指してスペックが煮詰められたことが見えてくる。予想されるbZ4Xとソルテラは、アリアと比べるとボディサイズでは上回り、パワーではアリアとほぼ同等になるのではないか。
コメント
コメントの使い方