驚愕の7年ぶり高値! 今入れるか もう少し待って入れるのか どっちが正解?

■ガソリン価格の上昇傾向はしばらく続きそうだ

 日本の元売り大手の製油所で生産責任者を務めるY氏にも話を聞いてみた。

筆者:「ガソリン価格の上昇を受けて、国内の元売り大手が原油を多く輸入してガソリンをたくさん生産して精製マージンで儲けよう、という考え方ってありますか?」

Y氏:「いえ、そもそもクルマの燃費効率が改善し、今後さらにクルマの電動化が進んで需要が減っていくことが確実ななかで、ガソリン精製能力はダブついているので、むしろ経産省や資源エネルギー庁が旗を振って、効率性の低い製油所を閉鎖・統合していくことになっています。だから短期的にガソリンの値段が上がっているからといって、稼働を増やしたりすることは基本的にはしません」

筆者:「せっかく国内の石油元売りが3社に統合されたので、今回は儲けるチャンスなのでは?」

Y氏:「いわゆる「業転玉」といわれるノーブランドのガソリンの安値流通は統合のせいで減りましたが、ガソリン価格の上昇のほとんどの部分は原油価格の上昇のせいで、精製マージンや販売マージンが劇的に改善する、というのは考えにくいです。

 もちろんリッター80円の時に1円儲けるのと、リッター160円の時に1円儲けるのとでは、後者のほうが簡単なので目先は少し儲かるかもしれませんが、われわれが大儲けするとはちょっと考えにくいですね」

筆者:「ズバリ、自分のクルマのガソリンは早めに満タンにしていますか? それとも少しずつ給油していますか?」

Y氏:「原油が中東から日本まで運ばれてきて、精製されてガソリンスタンドに出回るまで1ヶ月半ほどのタイムラグがあります。それを考えると、原油価格の上昇が続いているのであれば早めに満タンにしたほうがいいと思い、そうしています」

 グローバル金融機関の商品(コモディティ)トレーディングアジア統括責任者X氏も、国内元売り大手製油所の責任者Y氏も、ガソリン価格の価格上昇はしばらく続くと見ているようだ。

 OPECプラスが大幅に増産したり、世界各地で予想外の暖冬になったりしない限り、しばらくガソリンを含む石油製品の需給は厳しい状態が続きそうだ。

 読者の方々も、給油を先延ばしにするのではなく、できるだけ早めのタイミングで満タンにしておくのがいいかもしれない。

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