ダイハツ独自開発「e-スマートHV」搭載のロッキー&ライズの凄い中身

■コンパクトSUVのHV最安の211万6000円~ 1.2Lの同じグレード同士で約30万円のアップ

ロッキーX HEVの価格は211万6000円
ロッキーX HEVの価格は211万6000円
ロッキーX HEV。ダイハツによれば1Lターボ(4WD)は走りにこだわるユーザーへ、1.2Lガソリン車は街乗りメイン価格重視のユーザーへ、1.2Lのe-スマートハイブリッドは環境、燃費、先進感を求めるユーザーへ向けて開発したという
ロッキーX HEV。ダイハツによれば1Lターボ(4WD)は走りにこだわるユーザーへ、1.2Lガソリン車は街乗りメイン価格重視のユーザーへ、1.2Lのe-スマートハイブリッドは環境、燃費、先進感を求めるユーザーへ向けて開発したという

 ロッキーの価格は166万7000~234万7000円、e-スマートハイブリッド車は、X HEVが211万6000円、プレミアムG HEVが234万7000円。

 このe-スマートハイブリッドを搭載したロッキーの価格はダイハツ社内で議論が交わされ、エントリーグレードを200万円以内(税抜き)にするべく、コスト面を徹底的に突き詰めた結果、X HEVは税抜きで192万3636円(税込みは211万6000円で出すことができたという。

 1.2Lガソリンエンジンを搭載する同グレード、181万円のX、プレミアムGは205万8000円だから、e-スマートハイブリッドはXグレード同士では30万6000円高、プレミアムG同士では28万9000円高となる。

 約30万円の価格アップとなるが、それでも211万6000円(X HEV)~という超低価格。他の国産車メーカーからすれば、驚異でしかない。

 一方、ライズのe-スマートハイブリッド搭載車の価格は、ハイブリッドGが216万3000円、ハイブリッドZが232万8000円と、1.2Lガソリンエンジンの同グレードとの価格差はハイブリッドGが30万6000円、ハイブリッドZが28万9000円高となる。

ロッキーe-スマートハイブリッド搭載車の価格は、「X」が211万6000円、「プレミアムG」が234万7000円。プレミアムGには、ホールド機能付きの全車速追従ACCとLKC(レーンキープコントロール)が備わる
ロッキーe-スマートハイブリッド搭載車の価格は、「X」が211万6000円、「プレミアムG」が234万7000円。プレミアムGには、ホールド機能付きの全車速追従ACCとLKC(レーンキープコントロール)が備わる
ロッキーよりもライズのほうが若干高い
ロッキーよりもライズのほうが若干高い

■1L直3ターボに対し、+20%ものトルクアップを実現!!

ダイハツが新開発した1.2リッター直列3気筒のWA-VEエンジンとe-スマートハイブリッド
ダイハツが新開発した1.2リッター直列3気筒のWA-VEエンジンとe-スマートハイブリッド

 今回の「e-スマートハイブリッド」は、新開発された直列3気筒1.2Lエンジンを発電専用のエンジンとした、シリーズ方式のハイブリッドだ。

 「WA型」と呼ばれるこのエンジンは、単体で最高出力60kW(82ps)、最大トルク105Nmを発生、モーター出力は78kW(106ps)/170Nm。

 1L直3ターボは72kW(98ps)/140Nmなので、約20%ものトルクアップを果たしている。ダイハツによると、発進時の加速は、従来型(1Lターボ)の約2倍もの力強さだというから、さらに元気なパワートレインになっているものと推測できる。

 ちなみにe-スマートハイブリッドを装着しない1.2LNAガソリンエンジンは、最高出力64kW(87ps)、最大トルクは113Nmとなっている。

 日産ノートに搭載されている、第2世代e-POWERの発電用エンジンは、1.2Lの直列3気筒ガソリンだが、エンジン単体のスペックは60kW(82ps)/103Nm(78.0×83.6、圧縮比12.0)、モーター出力は、85kW(116ps)/280Nmとなっており、第2世代e-POWERのほうが、エンジン諸元の上では有利だ。

高タンブルストレートポート&薄型バルブシートの採用により、1L比で燃焼期間25%減少。デュアルポート+低ペネトレーション噴霧により、噴霧粒径が10%微粒化したことにより、壁面の付着抑制や未然損失を低減
高タンブルストレートポート&薄型バルブシートの採用により、1L比で燃焼期間25%減少。デュアルポート+低ペネトレーション噴霧により、噴霧粒径が10%微粒化したことにより、壁面の付着抑制や未然損失を低減

 導入された新技術は、高速燃焼を行うため、耐ノッキング性を高めつつも、効率よく熱エネルギーを動力に変換する「高タンブルストレートポート」や、燃料を霧状に噴霧してポートやバルブに付着する燃料を低減し、燃焼促進と燃焼ガスのクリーン化を狙った「デュアルポート+低ペネトレーション噴霧」、2系統の冷却水路により暖機性能を向上させるための「2系統冷却システム(ガソリン車のみ)」など、だ。

 自動車用ガソリンエンジンの平均的な最高熱効率は30%台であり、40%台前半が限界とされている中、これらの新技術によって、ハイブリッド車用のWA-VE型エンジンの熱効率は、最大40%を実現したという。

 シリーズ式ハイブリッドならではの、全域モーター駆動による低速トルクや、アクセルペダルの操作に対してリニアに反応する加速フィールや高いレスポンスなど、快適なフィーリングに仕上がっていることだろう。

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