トッププレーヤーとして常連の青木瀬令奈さん。中学1年生で2006年の「日刊アマゴルフ 全日本レディースゴルフ選手権」で優勝と早くから才能を見込まれていた。
父はドラマー、母はピアニストという音楽教室やライブハウスを経営する音楽一家に育つ。名前の由来はセレナーデ(恋人たちに贈る曲)から。
宝塚も大好きという筋金入りのヅカファンでもある彼女のクルマ愛を、ベストカーだけに語ってくれた。
※本稿は2021年11月のものです
TEXT/小川淳子、撮影/茂呂幸正、構成/伊藤明弘
初出:『ベストカー』2021年12月10日号
■3月から11月までのツアーや試合にクルマは欠かせない
荷物をたっぷり積んだアルファードで、取材場所に現われた女子プロゴルファーの青木瀬令奈さん。身長153cmの小柄な体で、大きなアルファードを乗りこなしている。
実はこのクルマ、青木さんのゴルフの成績と密接な関係がある。
「初めて買ったクルマは、2016年型アルファード・エグゼクティブラウンジ。お世話になっている地元の練習場の親会社、群馬トヨペットで買いました。ちょうど、初シード権獲得を目標にしていた頃。優勝するのに何が足りないかな、と考えて、上位の選手を観察したら、その多くがアルファードに乗っていることに気が付いたんです。移動の快適さが練習の充実につながるんだな、と思ってアルファードに乗ることを考えました」
ツアーを戦う女子プロたちにとって、その年、成績のよかった選手だけが出場できる11月の最終戦、リコーカップに出るのは大きな目標だ。
残念ながら、それに出場できないことが決まった直後、青木さんはディーラーに購入の連絡を入れたと言う。
新車購入で気分一新。プロゴルファーと切っても切り離せない移動の快適さも手に入れたことが、翌2017年、見事に結果につながった。
■アルファード購入で見事に初優勝を飾る
6月のヨネックスレディスで念願の初優勝を飾り、最終戦にも出場。トッププレーヤーの仲間入りを果たした。
「クルマの普及率が日本一の群馬出身(令和2年データ:クルマ1台当たりの人口=1.12人、免許取得率=72.1%、女性免許取得率=67.4%)で、父はクルマ好き。私と姉は子どもの頃からゴルフをしていたので、夏休みになると家族で車中泊しながら試合に出場。ですから、家で過ごせたのは3日くらいしかありませんでした。クルマはグランディスとかデリカとかでしたね」と、常にクルマは身近にあった。
また、家にいても峠を走る『頭文字D』のドリフト音が耳に残っていると言う。
ゴルフ場のカートが大好きで、小さくて保護者と一緒でなくてはいけない頃には不満を訴えていた。成長してひとりで運転できるようになると「めちゃめちゃうれしかった」というほどだ。
だから、教習所でも「クルマをちゃんと“箱”でとらえられているね。視線も常に進む方向を見ている」とほめられ、すんなり免許を取れた。
高級腕時計メーカー、リシャールミルとアンバサダー契約している“ファミリー”の、レーシングドライバーの中野信治さん、松下信治さんがいることから、富士スピードウェイにレース観戦に行ったこともある。
アルファードで行けない北海道や沖縄などでは「現地でレンタカーを借りて運転します。運転はまったく苦にならず、むしろ大好き。雄大な景色も楽しみながらのドライブは新鮮で楽しい」そうだ。
一方で、ポルシェ好きの父が911を運転していることもあり、いつかスポーツカーに乗ってみたい気持ちも持っている。「地を這うようなドライビング感覚も捨てがたいですね」。
取材の少し前に、ツアー2勝目を飾った青木さん。
「今は5週間、家に帰ってないですね」とサラリと口にした。
毎週、移動の多いツアープロは、たっぷり荷物が積めて居住性の高いアルファードで、戦っている。
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