■ホンダに続くレベル3を実現するのはこの企業
2021年はホンダのレジェンドが世界初のレベル3自動運転を実現した画期的な年だったが、それを追う他社の動きを紹介しよう。
本稿が読まれる頃にはレベル3を実現しているのではないかと思われるのが、メルセデス・ベンツだ。Sクラスの本国仕様には「ドライブ・パイロット」という技術が搭載されていて、これによるレベル3自動運転が、ドイツでスタートする予定だ。
ドイツの法律も日本と同じで、現在は高速道路の時速60km以下でのみ、作動が許される。とはいえメルセデスはすでに高速巡航にも対応済みだといわれ、規制が緩和されれば、ネット経由でソフトウェアをアップデートさせて対応するようだ。
ちなみに日本での対応だが、メルセデスはオランダ「ヒア」製のデジタル地図を使用しており、こいつの日本対応が待たれるところ。実現にはもう少しかかるだろう。
ドイツ勢ではBMWも2022年後半からレベル3を実現するが、導入は北米からとなりそう。最初は7シリーズでスタートし、5シリーズやSUVモデルにも仕組みを移植させていくことが明らかになっている。デジタルマップの整備状況によっては、カリフォルニアやニューヨークなどが先行するのかもしれない。
ドイツ勢以外に目を向けてみると、あなどれないのがヒュンダイだ。同社はジェネシスのフラッグシップサルーン「G90」の新型を発表済みだが、こいつにレベル3を実装する。まずは韓国国内の高速道路からスタートし、メイン市場である北米へとサービスを拡大させるはずだ。
このほか、トヨタがミライとレクサスLSに積むアドバンスト・ドライブも、実質的にはレベル3の実力を持つが、いまのところレベル2にとどまっている。2022年の自動運転は、先に述べた3社がリードしそうだ。
■そのほかの近未来系ニュースを20秒でチェック
●2019年にドイツ製のEVトラックで配送サービスを始めたヤマト運輸だが、今度は日野と手を組んだ。日野が開発したデュトロのEV仕様トラックで、集配業務の実証実験を始めるという。
トラックは普通免許で乗れる小型車で、先に導入したドイツ製モデルとほぼ同サイズ。一部ではドイツ製モデルにトラブルが多いという噂も聞こえていたが、ヤマトとしてはCO2削減を急ぐため、パートナーを増やしたいということだろう。東京・日野と埼玉・狭山を拠点とするそうだ。
●全固体電池の研究を急ぐ会社は日産だけじゃない。日本電気硝子が全固体のナトリウムイオン電池を開発した。
ナトリウムは海水や土中に豊富に存在するため、リチウムのように資源確保を心配しなくていい点がミソ。さらに今回の電池は活物質にもコバルトやニッケルなどの希少金属を使っておらず、全固体だから発火や有害ガスの不安もないそうだ。
現状の試作品は小さくて、スマホの充電程度しかできないが、ナトリウムイオン電池は中国CATLも取り組む注目技術。日本電気硝子にはぜひ車載用も開発してほしい。
●地元とのごたごたが報道されていたテスラの欧州進出だが、どうやら独ベルリンに工場が完成したらしい。すでに量産準備に入ったようで、遠からずヨーロッパ製テスラ車が誕生しそうだ。
最初の生産車はSUVのモデルYになりそうだが、欧州の自動車産業にとっては、新たな火種ともなりうる。2022年もEV界は激動しそうだ。
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