■R.S.ラインデザインのコックピット
インテリアは、ルノーのスポーツフラッグシップである「R.S.(ルノースポール)」由来のR.S.ラインデザインを取り入れたもの。ドライバーを中心にデザインされたダッシュボードとドアトリムには、カーボン調パネルとレッドラインのアクセントが備わり、スポーティな雰囲気を強調。
レザーステアリングやレザー×スエード調のコンビシートなどがビジュアルと触感の両面で質感を高め、さらにシートベルトにもレッドステッチが施されている。
ダッシュボード中央には、ドライバー側を向いた7インチのタッチスクリーンが備わり、スマートフォンをUSBポートに接続すると、Android AutoとApple CarPlayを介して、ナビゲーション機能などのスマホアプリを活用することが出来る。
また、ホイールベースもしっかり確保されているため、キャビンも、Cセグメントカーにふさわしい広々した印象だ。
ラゲッジスペースは、標準で480Lを確保。ラゲッジフロアは、2段式構造となっており、床下収納や荷室高さの調整、6:4分割可倒式リアシートによるラゲッジスペース拡大にも役立つ。
さらに前後席のカップホルダーを完備し、快適なロングドライブが楽しめるように配慮されている。
■輸入車初となるストロングハイブリッド
メカニズム最大のハイライトは、ハイブリッドシステム「E-TECH HYBRID」の搭載だ。輸入車初となるストロングハイブリッドタイプで、2基のモーターと69kW(94ps)/148Nmを発揮する1.6L4気筒DOHCエンジン、電子制御ドッグクラッチマルチモードATを組み合わせたシステムだ。
パワーユニットは、メインとなる36kW(49ps)/205NmのEモーターに加え、スターターとジェネレーターの役目を担う15kW(20ps)/50NmのHSGを備え、発進時と低速域は電気モーターのみで走行。
中速域では、モーターとエンジンを最適に組み合わせ、高速域では巡行時はエンジンがメインとなり、追い越しなど加速時にはモーターがアシストするもの。モーターとエンジンを結ぶATは、モータースポーツで活用されるドッグクラッチを採用し、軽量化とコンパクト化を図っているのが特徴。
ギアもモーター側にふたつ、エンジン側に4つのギアを備えることで、それぞれからの動力が切れ目なく、効率的に引き出せるようになっている。このハイブリッドシステムの開発には、ルノー/アルピーヌF1チームの経験とノウハウが活用されているという。注目される燃費消費率は、22.8km/L(WLTCモード)と公表されている。
■充実装備のモノグレード仕様に
アルカナのラインアップは、前輪駆動仕様のハイブリッド車のみで、トリムレベルも「R.S.ライン」のみに。ただし、メーカーオプションの設定もないため、充実の内容を誇る。
時代が求める先進の安全機能は、ストップ&ゴー機能付のACC、車線中央維持支援、車線逸脱防止支援、車線逸脱警報、歩行者及び自転車対応の衝突被害軽減ブレーキ、360度カメラ、前後と側面のパーキングセンサー、後側方車両検知警報、オートハイビーム、交通標識認識機能など、幅広い機能を備える。
さらに前後のLEDライト、18インチアルミホイール、前席とステアリングのヒーター機能、アンビエントライト、自動防眩式ルーフミラー、スマートフォンワイヤレスチャージャーなども標準化されている。
マイルドハイブリッドとPHEVが投入される輸入車のなかで、初となるストロングハイブリッドを投入されたアルカナは、燃費効率に優れるだけでなく、日本でも扱いやすいサイズに加え、輸入車で人気の高いクーペSUVの中では廉価であることなどの強みを持つ。それだけにルノーの期待も大きい。
しかし、ルノーラインナップのなかでは、メガーヌR.S.に継ぐ高価格車となっており、幅広い層に向けたルノーのフラッグシップといえるポジションにある。経済的なハイブリッドとスタイリッシュなクーペSUVデザインが、どのように日本で評価されるのかも興味深いばかり。
まずは先行展示及び試乗イベントが予定されており、4月23、24日の東京・代官山会場を皮切りに、大阪(4月30日~5月1日)、福岡(4月30日~5月1日)、名古屋(5月7日~8日)の全国4都市で実施が告知されている。なお、試乗については、事前の専用サイトからの申し込みが必要だ。
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