■多発する「クルマ屋」「新車販売店」の「夜逃げ」
コロナ禍を原因とする経営不振によるものかどうか。全国で自動車販売やチューニングやカスタムに関わる被害が増えつつある。
埼玉県三郷市にあるオールド三菱車を専門としたショップ「シリウス」も今回紹介したホープ同様、客のクルマとお金を預かったままで数か月放置されている。店の周辺にはナンバーのついていない名車たちがゴロゴロ放置されている状態で経営者の行方は分かっていない。
十数年前から愛車(ランサーターボ)のメンテや取材で何度か訪れていたという筆者の友人編集者曰く、
「歴史と実績のある有名店ですよね。気のいい店主さんで、悪事をはたらく感じではなかったですよ。でも、店主さんがおひとりで切り盛りしているお店だったこともあってか、運営がややルーズな印象はありました。雑誌でたびたび紹介されてきた名店ですが、自動車雑誌の編集部いわく、しばらく前から連絡がとれていないそうです。」
コロナが関係しているかどうかは不明だが、海外から輸入した古い外国車を運輸支局の駐車場に放置した例もある。たまたま筆者と息子が運輸支局を訪れた際にその珍しいクルマは支局の駐車場に停まっていた。
「構内及び出入口通路上での長時間の無断駐車はご遠慮ください」との張り紙がフロントガラスに貼られており、驚いていたのだが、それはのちにガス検を依頼していた業者が放置していたクルマであることが分かった。
そのクルマのオーナーが北関東の業者に新規登録の手続きをお願いしたところ、北関東の業者が横浜の業者にガス検を依頼。横浜の業者がガス検の途中で運輸支局の駐車場に放置していったという。ちなみにその数日後にクルマは移動している。
また、夜逃げといえば2022年1月21日にベストカーWebに掲載された、被害総額4億円との試算もある長野の車販売店「デュナミスレーシング」について少し触れておきたい。
入金から2年たっても納車ナシ返金ナシってマジか… 被害者続出!! 狂気の車販売店「デュナミスレーシング」の闇
昨年末の夜逃げ発覚から約2カ月が経過しており、被害の全貌が明らかになってきている。
もちろん注文済み、入金済みのはずの新型車はいまだにお客さんのもとに納車されておらず、返金もされていないが、デュナミスレーシングのO社長はクルマ購入客以外にも、町内会の役員や仕入れの取引先、元従業員に対しても多額の借金をしていたことが分かった。
また、信濃毎日新聞の2022年2月16日(水)付け記事によると、デュナミスレーシングO社長は店と工場の賃料を2年半以上滞納しており、所有者などから建物明け渡しなど求めて2021年11月に提訴されていたことがわかっている。
2022年2月8日、長野県警はデュナミスレーシングと隣接する整備工場や作業場を家宅捜索に入った。警察関係者からは「O社長の口座や資産等をすべて調べたところ、金はまったくと言っていいほどなかった。詐欺罪での逮捕は確実」、「道路運送車両法でも行ける」という情報が入ってきている。
「カスタムショップホープ」はもちろん、デュナミスレーシングについても最新情報や今後の見通しなどを別記事で扱うつもりだ。
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