■ボクサーエンジンはなぜ燃費が悪いの?
回答:鈴木伸一
ボクサーエンジンは構造上、ピストンストロークを伸ばすと横幅が拡大してしまうため、一定の横幅内で排気量を拡大するためにはボアを拡大するしかなく、必然的にショートストロークとなる。
このため、高回転は得意なものの低回転時はトルクが低くなる傾向にある。低回転では燃焼効率が落ちるので、アクセルを余分に踏み込んだり低いギアで走行することとなり、結果として燃費を悪化させてしまう傾向にある。
■ダウンサイジングターボは本当に燃費がいいの?
回答:永田恵一
ダウンサイジングターボは「排気量などを小さくし燃費を上げ、動力性能の低下は過給機で補う」というもので、輸入車では主流となっています。
その燃費は、日本車はそれほどよくない、輸入車は謳い文句どおり向上している、というのが大まかな傾向。
日本車のダウンサイジングターボの燃費がそれほどよくない理由は、クルマが軽くないのと、全域でパワーを出しやすいハイオク指定にしにくい、ということが挙げられます。
■馬力とトルクの違いを教えてください
回答:鈴木伸一
エンジンの回転軸に働く、回す力(ねじりの強さ)が「トルク(㎏m/Nm)」。その力を持続することでどの程度の仕事を行えるかを表わす指標が「馬力」で、ある一定の時間内にどれだけ重い荷物を、どれだけ遠くまで運ぶことができるかを「馬」何頭ぶんに相当するかで表示している。
単位表記は昔から親しまれている「ps」が一般的だが、単位の変更によって現在では「kW」が使用されるようになっている。
■トルクの大小はどうやって決まる?
回答:鈴木伸一
「トルク」は物を回す際、かかった力とその回転軸の中心から力点までの距離をかけた数値で、回転軸に付いた1mの柄の先に1㎏の回す力(回転力)が加わった時「1㎏m(9.8Nm)」と表わしている。
つまり、エンジンを回転させる力を示しており、数値が大きいほど瞬発力が強く、重たいクルマでも動かすことが可能。が、大きいからといって速く走れるわけではない。速度を出すためには仕事量、つまり馬力が必要となる。
■なぜ国産メーカーはマツダしかディーゼルに力を入れない?
回答:渡辺陽一郎
以前の国産乗用車は、ディーゼルエンジンを搭載しており、ホンダとスバルも欧州仕様に用意していた。それが今は各社とも消極的だ。
背景にはディーゼルが好調に売れた欧州での不人気がある。欧州にはユーロ3の古いディーゼル車も多く残り、大気汚染が深刻化した。VWの排出ガス不正問題も追い打ちをかけた。電動車の開発に力を入れたい事情もある。
しかしマツダは、原油を採掘した段階から走行までの全行程で、どれだけ二酸化炭素を排出するかを重視する。電気自動車が火力発電による電気で走れば、ディーゼルの環境負荷が少ない場合もある。
今後も内燃機関が必要と考えてディーゼルに取り組む。そこにはマツダが大切にする走りの楽しさも含まれる。
■なぜガソリンより軽油のほうが安いの?
回答:編集部
どのガソリンスタンドでも20円くらい軽油のほうが安い理由は〝税率〟の違い。ガソリン価格には揮発油税(53.8円)と石油石炭税(2.8円)を合わせた56.6円が、軽油価格には軽油引取税(32.1円)と石油石炭税(2.8円)をあわせた34.9円がかかっている。
この21.7円が価格差となる。軽油引取税は、軽油が主にバスやトラックで利用されるため、燃料費が企業の経営を圧迫しないよう安く設定されている。
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