クルマに関する疑問質問全力回答!【夏休みこどもクルマ相談室】

■未来のクルマ社会への疑問 篇

 テクノロジーの進歩とともにクルマ社会も大きく変わる。これまでの常識がすべて変わる時が近づいているのだ。ここでは、そんな近未来のクルマ社会への疑問に回答

■もしかして、カーナビって衰退していくもの?

回答:高山正寛

結論から言うとカーナビはなくならない。ただし、従来のAV一体式から「機能としてのナビ」を有するインフォテインメント型へシフトしていく。

ナビアプリは確かに高機能化しているが、そもそもスマホやタブレットは車内という厳しい環境で使うように設計されていない。要は通信を使ったテレマティクスナビ機能はスマホで行い、表示は車載用ディスプレイに任せる。現在で言えばアンドロイトオートやアップルのカープレイ的な商品が増えていくだろう。​

■日本が計画している2020年の自動運転はどのレベル?

回答:桃田健史

乗用車では、高速道路で自動車線変更を行うレベル2自動運転が実用化される。その場合、ETCに使われている狭域通信(DSRC)などによる路車間通信を活用して合流区間での安全性を上げる。

いっぽう、オリパラ対応で東京臨海部の一般公道では完全自動運転レベル4によるバスの実用化を始める。ただし、安全性を確保するため、運転席には運転管理者が乗車することを想定。また、自動運転専用空間を設置して、遠隔監視による無人の完全自動レベル4小型車の運用も始める。

そのほか、東名高速などで長距離トラックのレベル2自動縦列走行の実用化を目指す。

■トヨタはなぜコネクティッドサービスに力を入れる?

回答:中西孝樹

トヨタは新型クラウンとカローラスポーツからコネクティッドサービスを始めました。これからのクルマには「走る、曲がる、止まる」に加え「繋がる」という性能が不可欠なものになるからで、トヨタは繋がる技術こそが「次世代車の基盤になる」といっています。

もちろん、トヨタ以外のメーカーも同様に考えていて、コネクティビティは機能、安全、それにエンタメの部分も含めて、クルマがもう一段進化するために絶対に必要な機能なのです。

トヨタのメイン事業がクルマの開発と製造であることは今後も変わりませんが、もうひとつの大きな柱として、ビッグデータを使ったモビリティサービスのプラットフォーマービジネスを推進しています。

今はまだ車両チェック、緊急車両の手配や保険会社、販売店、オペレーターなどとの繋がりだけですが、これはあくまでも最初の一歩。このかたちが完成すればサービスは無限に広がります。クルマはすべてのものに繋がっていけるのです。

また、車車間通信ができれば、見えないところの危険を知らせてもらえるなど安全性も飛躍的に向上します。それが最終的には完全自動運転に繋がっていくのですが、そこまでいかなくても、安全性の向上という大きなメリットを提供できるようになるのです。

もうひとつ大切なのは、グーグルやアップルをはじめとするITカンパニーとの戦いです。自動車メーカーが外と繋がる技術を発展させなければ、ITカンパニーがクルマの領域に攻めてくるでしょう。その戦いに破れれば、クルマはパソコンのようなものになってしまうかもしれません。

そうならないように自動車メーカーはITカンパニーと対等に戦っていかなければならないわけで、その基盤作りとしてもコネクティビティが必要なのです。

ただし、誤解しないでもらいたいのは、トヨタが自社の生き残りだけを考えてコネクティッドサービスを始め、データを収集し、活用しようとしているわけではないということです。

車内と車外が繋がることで、今までに経験したことのないようなサービスと安全をユーザーエクスペリエンスとして提供でき、それが新しい価値を生み出す。それがクルマの進化だと信じているからでしょう。

コネクティッドサービスの進化にはある程度時間が必要です。でも、コネクティビティがこれからのクルマを変えていき、未来に繋がっていくということをユーザーに理解してほしい。

だからトヨタは最初の3年間は無料でサービスを提供するわけで、これは企業規模の大きいトヨタでしかできないことかもしれません。

トヨタが目指すプラットフォーマービジネスの概念図。一番上に示している繋がる業種はまだこのくらいだが、今後この領域は無限に広がっていく

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