■最新の1L TSIエンジンにアップデート
メカニズムの最大のトピックは、エンジンが換装されたことだ。新エンジンは、1L直列3気筒DOHCターボで、最高出力95ps/5000~5500rpm、最大トルク175Nm/1600~3500rpmを発揮する。
この新エンジン、排気量や性能面のスペックに変更はないが、ミラーサイクル燃焼プロセスやバリアブルターボジオメトリー機構、ガソリンエンジンPMフィルターの採用により、環境性能を高めているのが特徴。細かな部分では、最大トルクの発生回転数が抑えられ、エンジン圧縮比も高められているなどの数字上の違いがある。
燃費消費率については、WLTCモードで17.1km/Lと公表されている。この高効率化を図ったエンジンは、R-Lineを含む全モデルに搭載される。このため、パワフルさが自慢で、プチGTI的な存在だった1.5Lエンジンの「R-Line」は前期のみの稀少車となるようだ。
■先進機能も最新仕様にアップデート
VWのエントリーモデルながら、積極的に先進機能を採用してきたポロだが、その点もマイナーチェンジでは強化。ロングドライブでの心強いサポートとなる「Travel Assist」を採用。
8インチだったナビゲーション内蔵のインフォメーションシステム「Discover Pro」は、9.2インチにモニターサイズを拡大。さらにデジタルメータークラスターの全車採用などにより、運転席周りのデジタル感を強めているのも進化のポイントとなっている。
■グレード構成も刷新へ
グレード構成も改められ、新モデルは全4タイプを設定。エントリーとなる「TSIアクティブベーシック」、高機能型デジタルメータークラスター「Digital Coockpit Pro」や15インチアルミホイールなど装備をアップデートした「TSIアクティブ」、同一車線内全車速運転支援システム「Travel Assist」や後退時警告機能及び衝突被害軽減ブレーキ機能付の「リアトラフィックアラート」、LEDマトリックスヘッドライト「IQ.LIGHT」などを標準装備する上級グレードの「TSIスタイル」。
そして、TSIスタイル同様の装備に加え、スポーティな専用エクステリアと専用シート、電子制御式ディファレンシャルロック「XDS」を備える「TSI R-Line」が選択できる。
新型では、上位モデルの「TSIスタイル」と「TSI R-Line」には、レーンチェンジアシストシステム「Side Assist Plus」とリアトラフィックアラートを非装着とするレスオプションが用意されている。
安全装備のレスオプション化は、先進機能の充実化を図ってきたVWとしては意外なところだが、これは今も多くのメーカーが抱える半導体不足の影響によるものだ。上級グレードでもこのレスオプションを選ぶことで、納期が短縮できる場合があるという。このため、装備内容にこだわりたい人は、早めにディーラーに足を運んだほうがよさそうだ。
欧州の物価上昇や輸送費の高騰などの影響を受け、ポロもエントリーモデルでも、257万2000円と、発売時に比べ約47万円高となった新型ポロ。ただ、ライバルたちも軒並み価格が上昇していることも忘れてはならない。
現状の価格は、装備のアップデートや現行型デビュー後に施行された消費税増税などの要因もあることを考慮すれば、エントリーグレードを、なんとか250万円台に抑えるべきかもしれない。
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