クルマのメーターは今後どうなる?! アナログ消滅?! 液晶ばかりになるのか?


最近登場した新車に取り付けられているメーターは、タブレットのような液晶メーターが増えてきています。はたしてこれでいいのでしょうか?

クルマを運転するドライバーにとって、メーターは「人間の目」に匹敵する重要なものですが、あまり語られてきていません。

そこで、今回はメーターにスポットを当て、今後メーターはどうなっていくのか?  アナログメーターが消滅し、液晶メーターばかりになってしまうのでしょうか?  モータージャーナリストの高根英幸氏が解説します。

文/高根英幸
写真/ベストカー編集部、積水化学


■見やすいメーターを追求した結果、新たな危険の原因にもなる!

R32GT-Rのインパネ。センターコンソールの3連メーターを含め、メーターの針は赤。もはやこんなアナログメーターは消滅してしまうのか?

最近の新車で大きく変わってきている装備のひとつにメーターパネルがある。従来のメーターパネルは、タコメーターとスピードメーターの間にインジケーターが組み込まれていて、燃料の残量や走行距離、ギアポジションや各種ワーニングなどが表示されていて、車種により燃費や外気温など多彩な情報を切り替えて表示することもできる。

アナログメーターはメーターを凝視しなくても針の位置で大体の情報が把握できて、ドライバーとクルマの一体感を高めてくれるアイテムだ。走りを楽しむには、不可欠なメーターも近年は随分と求められる機能が増えてきた。そんなクルマとドライバーとの関係も、この先はそんなメーターの存在意義も変わってきそうだ。

旧車のメーターは、車速やエンジン回転、水温、油温、油圧などの情報をエンジンや変速機から直接メーターまでワイヤーや管で引っ張ってくる機械式だった。それが電気抵抗に変換されて、電気式のメーターとなって反応が速くなりメンテナンス性も向上したのが、1980年代あたりのこと。

現在はエンジンECUともつながっていて、電気信号で制御される電子式が一般的になりつつある。

こうしたメーターの技術や精度は日本がトップレベルを誇っていて、日本のメーター専門メーカー、日本精機は日本のクルマやオートバイ用のほか、ジャガーやプジョー、シトロエン、クライスラー、フィアットなど世界中の自動車メーカーにメーターを供給しているのだ。

カローラスポーツは一般的なアナログメーター(左)と液晶メーター(右)をグレードによって使い分けている。液晶メーターはハイブリッドの上級グレードに設定

スポーツカーや軽快なハッチバックは精悍なムードを演出させるデザインを採用してドライビングの気分を盛り上げてくれるメーターパネルを採用しているし、高級車やミニバンなどは室内の広さを強調するようにダッシュボードと一体感のある横に広がりのあるメーターパネルを採用しているケースも目立つ。

また夜間の照明も初期のメーターは文字盤の周囲から背後にあるランプの光が漏れるようにして照らしていたのに対し、1980年代には透過式の照明が登場してグンと見やすくなった。現在では目盛り部分などに樹脂製のインデックスを貼り付けて立体的に透過させ、周囲からも照明を当てたりと、かなり凝っているモノも多い。

■タブレットのような液晶メーターが増殖中!!

日本車ではハイブリッド車に多く採用される液晶メーター。写真はノートe-powerのファインビジョンメーター。さすがに立体感は感じられないが見やすい

最近はタブレットのように大きな液晶モニターが収まり、そのなかでアナログメーターが描かれるだけでなく様々なモードによりグラフィックが変化するディスプレイメーターが登場して、高級車から採用が増えている。

メルセデスベンツのSクラスから始まったこのトレンドはEクラス、Aクラスに採用され、今やアウディやBMWなども採用するばかりか、マイナーチェンジによってCクラスやVWゴルフ、ポロにまで導入されるほどだ。先日発表されたばかりの新型BMW3シリーズにもライブ・コックピット・プロフェッショナルと名付けられたディスプレイメーターが採用された。

2018年10月に日本導入される次期ベンツAクラスには、2つの高精細ワイドディスプレイ(最大10.25インチ)を設定。この2つのディスプレイを一枚のガラスカバーで融合したコクピットディスプレイは、空中に浮かんでいるように見えるのが特徴

発表されたばかりの新型BMW3シリーズの2つの高解像度デジタルディスプレイはBMWライブ・コックピット・プロフェッショナルと呼ばれる。新デザインのフルデジタルコクピットには、ナビゲーションの地図を表示する場所だけでなく、個別に選択した内容の表示スペースが設けられた

そこまで先進的ではなくても、メータークラスターの奥深くにメーターが組み込まれ、昼間でもメーターの照明を点灯させることで見やすさを追求した自発光式メーターのクルマも増えている。これは確かに見やすいけれど、新たな問題を起こす原因にもなっているようだ。

それは無灯火。夜間でもメーターは明るく、街灯や周囲のクルマのヘッドライトで路面が照らされいることもあって、ヘッドライトを点灯することを忘れて走行してしまうドライバーが増えているのだ。

自分は周囲が見えているから無灯火に気付かないのだろうが、自転車ですら無灯火は非常に危険だというのに、クルマで無灯火となれば危険極まりない存在だ。交通量が多い地域だからこそ起こる新しいタイプの危険要素だ。

クルマが夜間、無灯火で走行していると歩行者はクルマが近付いていることに気が付きにくく、無灯火のドライバーも歩行者に気付くのが遅れやすい。

片側2車線の道路で無灯火のクルマが走行していると、先行するクルマが進路変更する際に無灯火のクルマに気付きにくく、危険な思いをすることもある。

ハイビームにしたまま走行しているのも周囲のドライバーを幻惑して危険だが、無灯火はまったく逆の意味で危険過ぎる。自動車メーカーも安全性を高めるためにヘッドライトの配光や照度を高める工夫をしてくれているが、そんな努力を帳消しにしてしまうような誤操作やうっかりミスは避けたいものだ。

ヘッドライトにオート機能があるクルマは、オートの位置を基本にすることで、無灯火を予防することはできる。むしろ自動車メーカーにはヘッドライトのオフスイッチを廃してオートとスモールだけにしてもらってもいいと思う。それで確実に無灯火は無くなる(スモールでも、無灯火よりは遙かに被視認性は高いので)だろう。

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