■価格は高いが中身超弩級のシビックタイプR
逆に、価格が高くても価値も高いのがシビックタイプRだ。このクルマは市販車のFF世界最速を目指したという崇高なクルマ。ド派手な外観も、ひとつひとつに意味があるし、赤のアクセントが目を引くインテリアも特別感に満ちている。
このクルマの真骨頂である2LのVTECターボは、驚くほどアクセルワークにダイレクトに応答し、トップエンドまでその勢いを衰えさせることなく力強く加速しつづけるエンジンは本当にインパクト満点だ。
ハンドリングもたいしたもの。フロントのグリップ感が極めて高くて、意のままに行きたいところに行ける感じ。そしてリアがピタリとついてきて、安定している。このあたり空力がかなり効いているらしく、車速を増すほどにタイヤが路面に押し付けられていく感覚がある。それらすべて派手なエアロのおかげだ。
しかもこのクルマ、こうした類いのクルマとしては望外に乗り心地がよい。よく動いて路面からの入力を吸収しつつ、引き締まっていてフラット感もある。ニュルブルクリンクサーキットを速く走るための足まわりは、快適性も高いというわけだ。
むろんそのぶん価格も立派。まあ、これだけ出せば、世界最速のFF車が買えると思えば安いものという見方もできるかなと。450万360円という価格は高いが、中身はそれ以上ということで。
■シビックタイプRの判定/お値段以上
■シビックタイプR
価格450万360円→適正価格は480万円程度
■価格対エンジンフィール 7点
■価格対動力性能 7点
■価格対ハンドリング 7点
■価格対ファントゥドライブ度 7点
■価格対乗り心地 5点
合計33点
★判定/お値段以上
■S660はミドシップという希少性でお値段以上
お値段以上かどうかという切り口では、こちらもけっして安いわけではないのだが、オープンカーの2台が今回の採点項目では比較的点数が高く、くしくも偶然(本当に偶然!)に同点で並んだ。
より万人向けなのはロードスターだが、逆に世界最小のミドシップオープンスポーツであるS660のほうが、ミドシップという希少性ゆえ、お値段以上というお題には合っている気がするので、S660より上としたい。
S660は、よくぞこうして世に出てきたものだとつくづく思う。存在そのものに、大きな価値がある。しかも走りは手の内で操れる感覚と、小さなスーパーカーと呼ぶべき本格的なミドシップスポーツの味わいを兼ね備えている。むろん趣味性は相当に高いが、それだけ価値ある1台といえる。
■S660の判定/お値段以上
■ホンダS660
価格198万0720〜218万5920円→適正価格はプラス10万円程度
■価格対エンジンフィール 5点
■価格対動力性能 5点
■価格対ハンドリング 7点
■価格対ファントゥドライブ度 9点
■価格対乗り心地 4点
合計30点
★判定/お値段以上
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