輸入車については、VWポロGTIとプジョー208GTiという欧州ホットハッチを代表する「GTI(GTi)」を冠した2台を挙げておこう。
ポロGTIは、かつてに比べると価格がだいぶ高くなったのは事実とはいえ、中身はそれ以上に引き上げられていて、乗ると感心せずにいられない。
見た目は従来型のイメージを色濃く踏襲するも、中身は別物。MQBプラットフォームを得た新型は走りの質が大幅に向上して、兄貴分のゴルフGTIにすら迫るほど。
クラス最大の2Lの排気量を持つパワフルな直噴ターボエンジンと、ステアリングを操作したまさしくそのとおりに応答する一体感のあるハンドリングはクラス随一。
電子制御ダンパーを備えた足まわりは乗り心地が素晴らしく、フラット感も高い。むしろ、この価格帯でこれほどの走りを実現したのは偉い。
ゴルフGTIと遜色ないバリューが51万1000円安く手に入ることを考えれば俄然リーズナブルに思えてくる。むしろサイズ的にはゴルフGTIよりもコンパクトで、こちらのほうがホットハッチという言葉がピッタリはまるのではないだろうか。
■VWポロGTI
価格344万8000円→やや高い気もするが価格相応
■価格対エンジンフィール 6点
■価格対動力性能 7点
■価格対ハンドリング 8点
■価格対ファントゥドライブ度 7点
■価格対乗り心地 6点
合計34点
★判定/やや高い気もするが価格相応
■プジョー208GTiの判定/やや高い気もするが価格相応
一方のプジョー208GTiも、ほかの208に比べるとだいぶ高価ながら付加価値も高い。こちらは3ペダルの6速MTのみの設定で、いまや希少な3ドアである点も特筆できる。
もともとはBMWとの共同開発により生まれた1.6Lエンジンの最高出力は200psまで高められていて、そのパンチの効いた加速と専用エキゾーストシステムによるホットなサウンドによる情熱的なドライブフィールを味わうことができる。
しなやかななかにもダンピングを効かせたスポーツサスペンションも「猫足」の進化形を感じさせる独特の味わい。ドイツ勢をはじめとするほかのホットハッチとはひとあじ違う、このクルマならではの妙味がある。
■プジョー208GTi
価格322万円→やや高い気もするが価格相応
■価格対エンジンフィール 8点
■価格対動力性能 6点
■価格対ハンドリング 7点
■価格対ファントゥドライブ度 8点
■価格対乗り心地 5点
合計34点
★判定/やや高い気もするが価格相応
いずれの2台は数々の専用アイテムが与えられていて、見た目にも特別感があるのはいうまでもない。価格はそれぞれのエントリーモデルの1.5倍近くにもなり、日本のホットハッチに比べてもだいぶ割高な感はあるが、得られる満足感もずっと高い。
価格が高めなので「価格対…」での評価はそれほど高くないが、相対的な実力はそれなりに高く、それだけ価値も高いと思ってもらってよいだろう。
ご参考までに、ちょっとマニアックかもしれませんが、お値段以上の輸入車というと実はアメ車に要注目だ。
特にジープの快適性が格段に向上し装備も充実した新型ラングラーや、一見フラッグシップのグラチェロに見えるほど上級イメージになったコンパスはかなりコスパ高し。
あるいはコルベットだって欧州製の高性能スポーツカーよりもかなり割安感がある。アメ車は全体的に中身が濃いわりに価格が安いという事実もお伝えしておきたい。
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